記者席



産産金連携 最新版
行方に注目DBJコネクト 2018年2月28日


◆…昨年、中央省庁の職員と席をともにする機会があった。中小企業における特許・商標・意匠といった知的財産権の管理を促進しているその人は、「なぜ中小企業?」との私の問いに、「大企業からイノベーション(技術やサービスの革新)は起こらない」と答えた。
◆…お酒がまわっていたから、いささか脈絡のない問答だったし、誇大な表現だったのだと思う。しかし、政府の本音を聞いた気がした。
◆…ここまで割り切らずとも、“一企業内でイノベーションも製造・販売もというスタイルでは時代に追いつけない”という認識自体は、オープンイノベーションという言葉とともに、産業界で既に広まっている。今、産業の発展は、この言葉抜きに語れなくなっている。
◆…消費者の好みが分かれ、商品のはやり廃りが早くなり、イノベーション同士の競合さえ激しい。革新的な製品やサービスをいち早く創り出すには、技術やアイデアを外部から取り入れる“開いたイノベーション”が必要というわけだ。
◆…今月16日、「京都オープンアクセラレーター(以下京都OA)成果発表会」を取材した。
◆…宇治市槙島町の光センサー製造大手・コーデンシ鰍ェ登壇するとのことで出向いたのだが(記事は18日付掲載)、極めて遅ればせながら、そこで初めて知ったことがある。昨年6月に鞄本政策投資銀行(DBJ)が、スタートアップ(ベンチャー)企業の支援で実績のあるCreww鰍ニ業務提携して「DBJコネクト」というサービスを展開、企業間をつなぎ、オープンイノベーションの促進に乗り出しているという件だ。
◆…DBJコネクトは、東京に集中するオープンイノベーションを地方へ広げようと考えた。京都OAは、その取り組みの第1弾である。
 開始は昨年9月。京都に拠点を置く4企業(コーデンシ梶E鰍ヘてな・潟jッセン・京都リサーチパーク梶jと協業するスタートアップ企業を全国から公募。約4ヵ月にわたる選考を経て結果が出た。私が取材した成果発表会は、協業の詳細をそれぞれ披露する場だった。
◆…オープンイノベーションと似たような考えは、「産学連携」「産官学連携」といった言い方で何十年も前からあった。「産産連携」ももちろん、特別なことではない。それぞれ、最適な答えを求め、現場で繰り返しあり方が検討され、次のスタイルが立ち現れてきた。その最新型の一つが、産産金連携・京都OAだ。
◆…感じることは3つある。
◆…一つは、政府系金融機関の地方へのてこ入れが始動した、ということだ。ここから何が起こるのかを見たい。
◆…二つ目は、第1弾として京都が選ばれ、参加4企業の一つが宇治市のモノづくり企業だったということだ。「ベンチャーの聖地」としての京都、モノづくり産業の集積地としての京都南部地域に、あらためて光を当てたい。
◆…三つ目は、今回発表された大手とスタートアップとの協業が、大が小を飲み込むとか、小が大を頼る、ということではなく、お互いの弱い部分を補い合う、あるいは、強みを合わせて相乗効果を期待する、というスタイルだと考えられることだ。実際にWin−Win、つまり、双方に利益のある関係となるのか、行方を見てみたい。
◆…発表会の壇上でDBJコネクトの担当者は、成果はまだかと上からのプッシュが再三あったことを明かした。大企業からは……という冒頭の職員の言葉、誇大だったかもしれないが、妙に真実味が増した。【奥井凜】


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