記者席



虐待 泣き、怒り、切に願う
2018年3月8日


◆…昨年9月、初めての記者席を書いた。「虐待」だった。どの数字を見ても辛く、泣きながら記事を書いた。
◆…今回は、その逆。協議会資料の一文に怒りで震え、筆を執った。厚生労働省が都道府県などに対する調査で把握した2015年度の虐待による死亡事例の報告概要だ。
◆…心中以外の虐待死は48例52人で、死亡した子どもの年齢は、0歳が30人、特に0歳のうち月齢0ヵ月児が13人と高い割合を占めるという残酷さ。
◆…ここでも、加害者は実母が最も多く、半分の26人。実母が抱える問題(複数回答可)の中で18人が「予期しない妊娠・計画していない妊娠」と答えている。
◆…怒りで震えた。望まない妊娠をしたから、生後間もない命を死に追いやるのか。あまりにも無責任で、身勝手、わがまま、自分本位、エゴイスティックだ。
◆…もうひとつ、協議会で気になる発言があった。幼稚園や保育園で、子どもがふと「こないだママにこんなんされた」と言う。母親に聞いてみると「冗談のつもり」「しつけだった」と返ってくるそう。委員らは、親の意識の希薄さを指摘した。
◆…もっと昔の時代を思えば、しつけという名の暴力は日常茶飯事で、あれもこれも「虐待だ!」と言われては、親も大変だ。しかし、後からふと口をついて出る子どもの言葉は、こちらが思っている以上に深く傷つけているのかもしれない。時間が経ってからでも、非を認め謝ることのできる親になろうと感じた。
◆…宇治市19万弱の人口の中、572人の子どもが虐待に苦しんでいる。5年前は176件だが、当時から600件近い虐待はあったものの、ダイヤル「189」や啓発が進み発覚する件数が多くなったのか、それとも、虐待自体が増加しているのか。どちらであってもゾッとする。
◆…望まない妊娠をしないための教育、妊娠から子育てをサポートする体制、本当に辛くなったとき子どもも大人も駆け込める場、すべてが最優先・最重要項目だと思う。
◆…市だけでは限界がある。貧困や核家族化など、背景もさまざまある。あらゆる角度から取り組まなければ解決しない。“貴族”が“貴族”の生活を豊かにするための法案を議論してる暇があるなら、国ぐるみで「生まれてこなければよかった子」を、「生んでくれた人を恨む子」を、なくしてほしい。地方紙の隅で、声を大にして叫ぶ。【島田真央】

記者席のインデックスへ
copyright©洛南タイムス
京都府宇治市宇治壱番26  TEL0774−22−4109  FAX0774-20-1417
※このサイトに掲載される記事や写真、その他のデータの著作権は洛南タイムス社またはその情報提供者に属します。無断転載を禁止します。