記者席



「訴えてやる!」逆ギレ城陽市(中)
主権者教育問題
道理そこのけ、無理が通る!!
2018年 8月 5日


◆…市議会における議員の発言や市職員が作成した公文書が「虚偽の事実」だとして、「法的措置も検討」するという顧問弁護士作成の「調査報告書」が城陽市のホームページに掲載、全国に発信するという尋常ならざる事態が続いている。しかもその内容たるや、人の認識や意見表明に対し「事実と違う」と筋違いの攻撃を仕掛けるなど、およそ客観性、説得性、公正さに欠ける代物。骨格部分の論理矛盾以外にも、いくつかの重大な欠陥があるのでその一部を指摘しておきたい。
◆…その前にまず、議会での議員の発言に対し「刑事告訴の準備をしている」と威嚇した城陽市の強圧的姿勢が、いかに効果的であったか、垣間見える出来事が最近にあった。議会は、城陽市の主権者教育への介入問題を総括した「主権者教育への介入等に関する調査報告書」をホームページに掲載している。その概要版が「市議会だより」(8月15日号)に転載されることに、7月30日の議会運営委員会で数人の議員から「聞いてない」「新たな文書も加えて」など注文が付いた。さらに水面下では、概要版そのものを議長の感想文に差し替える動きもあった。HPに掲載しているにもかかわらず転載にさえ気を遣う議員の姿にあきれ返った。来春の市議選を前に、市長サイドに例の忖度が働いたのかもしれない。
◆…さて城陽市が記者会見を開いて発表した「調査報告書」を見て、記者自身が「衝撃を受けた」のは、城陽市の「主権者教育介入問題」で、最も肝要な事実を完全に隠ぺいしている点だ。問題が明るみに出た今年3月13日の市議会予算特別委員会。本特集記事(上)で触れたように、井関守教育長が府教委に「報告」したという点について、本城隆志議員(無会派)や土居一豊議員(城陽絆)は「圧力と同じ」「主権者教育に水を差す行為」と追及したが、その理由や動機について教育長は以下のように答えている。
◆…「主権者教育開催の翌日、地元で熱い論議がされている問題について、地元紙に衝撃的な記事が掲載された。公教育の在り方としてどうなのか、職員、市民、教育に関わる者として疑問を抱き、府教委高校教育課の主権者教育担当主事に『ご存知ですか』と問い合わせをした」というのが1点目。2点目は「その場には、市の担当者がおらず、きちんと説明できない状況で、議員が意見を述べたのはおかしいと思った」と自身の考えを述べている。しかしながら一方で、市教委の長が高校教育を担当する府教委に「報告」するといった行為に対し「軽率な行動は慎みたい」と反省の弁を述べている。
◆…3月27日、予算特別委員会総括質疑の場でも、教育長や高校の担当教諭に直接電話をかけた市幹部職員の行為を批判する声が上がった。教育長は、委員会終了後に取材を行った報道陣に対し「自身の行動の結果、府教委と西城陽高校に多大な迷惑をかけたと深く反省」と行為を自省した。だが、自身の考え方そのものへの言及はなかった。「考え方は間違っていなかったが、結果的に迷惑をかけたことを反省している」と受け止められた。
◆…だが衝撃的な転換点が突如訪れた。それは4月18日のこと。教育長は、「介入問題」のそもそもの原点とも言える、相原佳代子議員(ネット)との会談(2月20日)内容を記録した市長への報告書を、行政監視機構の情報公開請求に基づき公開した。これを踏まえ、各紙記者が教育長室でインタビューを行った。
◆…市議会予算特別委員会で述べた自身の考えについて聞かれた教育長は、1点目について「私は小中学校の義務教育畑にずっと居た。教育現場での政治問題への扱いは敏感になっていた。しかし今回、高校における主権者教育については、自分の考えが狭いものであることを学んだ」と誤認識による発言だったと認めた。2点目の「担当者が居ない…」についても「望ましいことではあるが、議員の発言を制限すべきものではない」と釈明した。何よりも「府教委に言うべきことではなかった」と猛省の姿勢を見せた。
◆…にもかかわらず6月18日、城陽市は市長以下2人の副市長、教育長、理事、部長、次長と7人の上層部が顔を揃え、顧問弁護士を同席させ記者会見を開き「調査報告書」を発表した場で奥田市長は、「市の対応に誤りはなかった」と堂々胸を張った。その上で「誤ったことを平気で言ってはいけない。謝るべきだ」と議会で追及した議員に対し言い放った。
◆…おかしい、どう考えてもおかしい。教育長自身が、「主権者教育への認識が間違っていた」、府教委への報告も「すべきでなかった」と誤りを率直に認め、猛省している。この人の人間性だ。正直で誠実で、平気で真っ赤なウソはつけない。私は「教育長の反省はどうなっているの」と記者会見で尋ねた。本人は答えず、別の人物がこう言った。「予算委員会で時間をとり、議会に迷惑をかけたこと、報道や西城陽高校にも迷惑をかけたことへの反省」と言葉巧みにすり替えた。今思えば「道理そこのけ、無理が通る」が今の城陽市の姿か。【藤本博】

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