優先交渉権者の提案、公表/宇治市 歴史公園
「ミュージアム」のイメージ

交流館の図面、運営収入の想定など

宇治市は(仮称)お茶と宇治のまち歴史公園の整備・運営事業で、交流ゾーンの設計・建設・維持管理・運営を一括発注する優先交渉権者の「宇治まちづくり創生ネットワーク」(代表企業・NECキャピタルソリューション㈱、8社)が作成した提案内容を19日、市議会建設水道常任委員会(久保田幹彦委員長)に一部黒塗りで公表した。市は今年9月の市議会定例会に、同ネットワークが設立する特別目的会社(SPC)と本契約を結ぶためのいわゆる契約議案を上程する。公表された提案内容は契約が結ぶに値するものかどうか、議会が判断する重要な材料となる。【奥井凜】

公表されたのは、市の事業者公募に「宇治まちづくり創生ネットワーク」が応募した際に市へ提出した5つの「提出書類」と図面集。「提出書類」は、事業全体、設計・建設・工事監理、維持管理業務、運営業務、事業計画にわたって提案が記されている。一部の事業者名や事業アイデア・数値は、市の情報公開条例に基づいて黒塗りにされている。
公表された書類・図面によると、歴史公園の象徴的な建物となる「お茶と宇治のまち交流館」は、4つの切り妻屋根が連続する和モダンな外観の2階建て。1階にミュージアム、ミュージアムショップ、レストラン・喫茶、体験室2室があり、2階に講座を開催できる200人収容の会議室と展望テラスがある。ミュージアムは一般入館料500円で、年11万5000人の来場者を想定している。レストラン・喫茶は屋内56席、屋外テラス16席。開館は年中無休、午前9時から午後5時までで、会議室・レストランについては予約がある場合は22時まで開ける。
ミュージアムはおおよそ17㍍×23㍍のワンフロア。中心に「宇治名所図を動く古絵図として映像化」したVR(バーチャルリアリティー)宇治名所図をしつらえる。展示内容は開館5年でパネル更新、10年で「あらたな技術・ニーズを考慮した更新」を行うとしている。
体験プログラムの一つ「宇治茶 なりきり茶摘み・製茶体験」は、5~8月実施を目標とし、165分以上の2つのコースではホットプレートを使った加熱や手もみなども体験するとする。
宇治市はこの事業の予算を25・4億円としている。都市整備部歴史まちづくり推進課は、初期費用が19億円、同ネットワークが提案した維持管理・運営費が20・6億円で、合計39・6億円となるが、運営収入として14・2億円が提案されているため、差し引き25・4億円に収まると説明した。
運営収入が想定に至らないリスクがあるが、公表された「事業計画に関する提出書類」には、「利用料金収入が想定を下回った場合のリスクはパススルーの原則に基づき、運営企業が負担することを前提としています」などと、対応策が示されている。

■観光客増への貢献 推計「極めて困難」

この日の建設水道常任委員会で水谷修委員(共産)が歴史公園の効果で宇治市に来る観光客が増えるとの期待があることを取り上げ「どれほど増やせるのか」と聞いたのに対し、木下健太郎都市整備部長は「観光客増は私たちも高い関心を持っているが、推計は技術的に極めて困難」と答えた。