「目指す成果、共通認識を」

宇治市の第1回産業戦略策定会議が2日、うじ安心館で開かれた。互選の結果、会長に伊多波良雄同志社大学経済学部教授が、副会長に白洲正龍谷大学政策学部教授が決まった。委員の意見交換では、「何のためにやるのか」という根本的なことを含め、発言が相次いだ。【奥井凜】

山本正市長はあいさつで、財政健全化推進プランや、安定雇用を通じた定住人口の確保による市税収入増などに触れつつ、新名神高速道路全線開通といった環境の変化の中で戦略的な産業振興を図るものと、今回の策定の意義を示した。
会議では市の担当部局が、事務局として考える産業戦略の骨格や、宇治市版産業連関表から見えた市の産業構造などを説明。また、企業アンケートの案も提示して、委員の意見を求めた。
意見で目立ったのは、「戦略である限り目標を」「何のためにやるのか、委員全体で共通認識を持てるように」といった、今回の戦略がどんな成果を目指すのかを問うものだった。市からは、雇用環境を確保することで定住人口の増加につなげるとの答えがあった。委員からは「市民の幸福度との関係で戦略を位置づけるという考えも」との提案が出された。
「“産業”とは全ての産業か、それともどれかにスポットを当てるのか」との質問には、松田敏幸市民環境部長が「製造業に力点を置きながら、観光・茶業も」と、バランス関係を示した。
市が示した方向性の一つ「既存企業への支援強化」にも、「これまでの事業を評価することが前提」「市全体に波及することが分かる表現に」など、複数の意見が出された。
企業アンケートについては、「なぜ宇治から出て行くのか、個別企業に聞き取りをしては」「記名式にして、追加ヒアリングをしては」などの提案があった。
毎年決まって支出される義務的経費が宇治市の財政で増大する中、新たな税収を確保する意味でも産業戦略策定に期待が掛かる。
同戦略は、今回を含め来年1月までに4回の策定会議を経て、2月に都市経営戦略推進本部会議で決定される。