「放ち鵜飼」始まりの合図/宇治
エサを口にし、鵜匠たちのもとに戻るウッティーに称賛の拍手が起こる

待望の「放ち鵜飼」特別内覧会が11日、府立宇治公園鵜小屋近くで開かれ、クラウドファンディングで支援を行った15人と関係者らが、ウッティーと鵜匠の間に築かれた信頼関係に拍手を送った。
2014年に国内初となる人工ふ化でウミウのヒナが誕生した宇治川の鵜飼。以来、4年連続で人工ふ化によるヒナが誕生し、ウッティーの愛称で親しまれる9羽が成長した。
4月、インターネットを通じて必要な資金を募るクラウドファンディングを開始。188人から約183万円が寄せられ、最高額2万円コースの特典とされた放ち鵜飼の特別内覧会をこの日に開いた。
初代(1号)と4・5・6・9号の5羽が、単独とペアの方式でそれぞれ鵜匠の手から縄を付けずに放たれた。
着水し、潜るウッティーたちは鵜匠の投げたハスをのどもとに溜め、懸命な掛け声の中、階段を上って舞い戻ると、鵜匠らの笑顔が弾け、観客から拍手が沸いた。
16年前まで島根県益田市の高津川で、追い綱を使わず、首に輪っかをくくるだけで自由に魚を捕まえさせる昼間の放ち鵜飼があったが、後継者がなくなり途絶。
宇治川の鵜飼では最初のウッティー1羽が生まれて以来、人工ふ化で誕生したヒナをすべてウッティーの名前で育ててきた。
育ての親の鵜匠が「ウッティー」と呼ぶと、親元に寄ってくる「刷り込み」の習性を鵜飼に活用しようというのが「放ち鵜飼」の取り組み。気性が荒いとされるウミウをここまで馴致(じゅんち)した鵜匠の努力が花開き、さらなる期待がふくらむ。