絶やすことなく後世に/『寺田いも』DVD作品
京都アマチュア映像祭で披露される谷さん作『寺田いも』

「江戸の大飢饉から数えて、今は4度目のイモブーム。しかし、新市街地整備の影響で作付面積が減ったうえ、農家の高齢化で寺田イモは存亡の危機。これから絶やさないための新展開を図っていかなければなりません」。
城陽市寺田中大小の農業、谷久男さん(77)=京都シネクラブ・京都映像倶楽部所属=は、そんな思いを込めてDVD作品『寺田いも』(12分)を1年がかりで制作・編集した。
18日(日)に京都市下京区の「ひと・まち交流館」で開かれる第18回京都アマチュア映像祭で披露する。
谷さんは、京都市役所に奉職していた20代から映像を撮り始め、北海道から九州まで蒸気機関車(SL)を追い求めた経験がある。
京都アマ映像祭には、2001年の初回から作品を出展。特に、叔母の谷美津代さんと、出生後に生まれて父親の顔も知らない長女の辻井麻杞さん=富野堀口=の証言をもとに制作した『太平洋戦争いまだ終わらず』など3部作は、見る人の心を打つ名作だ。
今回の作品『寺田いも』は、自ら市施行の区画整理事業の影響を受け、耕作地が変更し「良いイモが作れるかどうか」と思い悩んだ経験を映像で表現。宇治市文化財愛護協会長の吉水利明さん=長池=の解説も交え、荒州の地で寺田イモを耕作するきっかけを作った嶋利兵衛の功績も広く紹介している。
「まもなく完成する新市街地は、良いイモが収穫できる場所だった。整備の影響で作付面積は5㌶ほど減って15㌶となった。幼稚園の芋掘りや近所の人の贈答品で、ほとんど市場に出回らない希少価値が高い。京都ブランドとして復活を考えなければならない時期を迎えている」と、特産物への強い思い入れを語る。
映像祭当日は、午後1時に開演。谷さんの作品は第1部の最後(午後1時40分ごろ)に上映される。入場無料、問い合わせは「ひと・まち交流館」℡075‐354‐8711まで。