あらためて、源氏香の世界/宇治市源氏物語ミュージアム
金地に挿絵が美しい「源氏香図帖」(松栄堂松寿文庫蔵・全期)

宇治市源氏物語ミュージアム=宇治東内=で開館20周年を記念した特別企画展「源氏香 ―そのデザインと広がり―」が開催されている。来年3月24日まで。期間を4期に分け、展示替えが行われる。
源氏香は、5種の香を1つずつ順にたき、それぞれの異同を判定する、香の世界の遊戯。異同は52パターンあり、縦横の線で図示される。52図それぞれに源氏物語の帖名が付けられており、総称して源氏香図と呼ばれる。
源氏香図はシンプルで洗練されたそのデザイン性から、香を離れ、意匠として独立していく。企画展では、源氏香図の歴史的な成り立ちのほか、工芸品や建築装飾などに転用される様を紹介している。

源氏香図を透かし彫りした「葵紋菓子鉢」

展観されているのは、香図を収めた帳面や、源氏香図が現れる錦絵・工芸品など。小ぶりながら美しい「源氏香図帖」(全期)や図を透かし彫りした「葵紋菓子鉢」(1・2期)は、美術品として見る者を楽しませてくれる。
家塚智子学芸員は「源氏物語からインスピレーションを受けて、新しい文化が生まれてきた。源氏香・図は日本文化の象徴として今も各地で用いられている。どういうものか、あらためて知ってもらいたい」と話す。