災害時に多言語支援/宇治で運営訓練、講習
救急車の内部を見学するベトナム人就労者たち

大規模災害発生時における在住外国人支援の取り組みが府内で進んでいる。宇治市でも、関係機関が互いに連携しスムーズな支援を行うための「災害多言語支援センター」運営訓練を実施した。また、市消防本部は外国人就労者に対する防火講習会を開いた。
宇治市役所8階大会議室で23日、災害多言語支援センター設置・運営訓練が行われた。市内在住の外国人や関係者ら50人が集まり、災害時に取るべき行動をワーキング会議の形で確認した。
宇治市国際親善協会(久保田勇会長)や京都府国際センターなどが主催。市内に震度6強の大規模地震と激しい豪雨があったと想定し、被災状況の確認、情報収集、翻訳原稿の作成と情報発信の訓練を行った。
会議室のホワイトボードには広域地図の中に避難所の位置が示され、「建物が安全か」「給水車はいつ来るか」「停電のお知らせ」など、各国の言語に訳された説明文を次々と掲示。「日本語を書き添えておかないと何の案内かが分からない」など、気づきの声が上がっていた。
視察に訪れた山本正市長は「日本語を十分に理解できない外国人住民に対して、行政の発信する情報を分かりやすく伝える必要がある。多言語支援に対する認識を深め、さらなるご協力をいただきたい」と挨拶した。
また、宇治市消防本部・西消防署(吉田依明署長)は26日、3月1日からの春の火災予防運動に伴う事前運動として、ベトナム人の就労者たち7人に対して防火講演を行った。
市消防の管内では過去2回、在住外国人を交えた救急隊の合同訓練を行っているが、民間企業(ワンワン株式会社、ジョ・アイカ代表=小倉町=)の要請で講演を開くのは今回が初めてだという。
同署の伊勢田救急出張所で開いた講演では、吉田所長が冒頭の挨拶。続いて士長たちが「日本では火事も救急も119番」「家の中ではコンロやたばこの取り扱いに気を付けて」など、通訳を介して簡潔に話した。参加者たちは、アドバイスの一つ一つに「わかりました!」と相槌を打っていた。
日本での救急車の利用は原則無料だが「自力では病院に行けないときに連絡してほしい」と説明。現状ではベトナム語の対応ができないため「スマホの翻訳サービスなどを活用して」と呼び掛けた。
座学のほか、消火器の使用訓練や救急車の内部見学も行った。3月から奈良への派遣が決まっているというグェン=ティ=ゴク=ビェンさん(21)は「消防署の方が熱心に教えてくれた。楽しく面白かった」と話していた。