清流の歌姫、声聞かせて/井手でカジカガエルを放流
玉川に放たれるカジカガエル

美しい鳴き声で知られ、町花のヤマブキと並んで数多くの和歌に詠まれるなど親しまれてきたカジカガエルをもう一度増やそうと、井手町カジカガエル保護友の会(小川俊雄会長、7人)の会員らが29日、玉川さくら公園(大字井手石橋)付近でカジカガエル約40匹を放流した。許可を得て前日に南丹市美山町で捕獲したもの。つがい1組が含まれており、会員らは「卵を産み付けてくれれば」と目を細めた。
美山町ではオタマジャクシ約140匹も捕獲。全てがカジカガエルの幼生とは限らないが、小川会長(93)が自宅で育て、足が生えたら同様に放すという。会はカジカガエルの復元事業に1998年から取り組んでいるが、オタマジャクシを育てるのは初めて。
カジカガエルは、本州から九州にかけての渓流域に生息する日本の固有種。見かけは地味だが、「フィフィフィ」と小鳥のように鳴くことから清流の歌姫とも呼ばれる。1953年の南山城水害をきっかけに玉川から姿を消したとされている。
小川会長は「昔は水田で声を聞いた」と言う。事業のかいあって、放流場所付近では鳴き声が聞かれるようになった。ただ、「聞きに来ても鳴いてくれない。住んでいれば聞こえてくる」とも。歌姫は、はにかみ屋のようだ。