夏の風物詩「宇治川の鵜飼」が危機的な状況に陥っている。20日現在、51日の営業予定日の内、営業できたのは13日間のみ。今年6月に完了した「宇治川塔の島地区河川改修事業」が地元の観光産業に思わぬダメージを与えている。

■河川改修が観光産業直撃
今年の鵜飼は7月1日から9月30日までの92日間で計画。宇治川の派川「塔の川」で開催する関係で、上流にある天ケ瀬ダムの放流量に営業は左右されている。
初日から営業中止に追い込まれ、20日現在、営業できたのは7月が6日間(6~11日)、8月が7日間(7~13日)のみ。開催率25%にとどまっており、過去最悪となっている。
現在の営業期間とした2016年度以降、最少の営業日は昨年度の49日間(開催率53%)。単純な営業日数では1993年度(6月19日~8月31日)の27日間(開催率36%)が最も少ない。
市観光協会は「河川改修事業が終わり、塔の川に入る水の量が増えた。天ダムの放流量が毎秒50㌧まで下がらないと客船の安全性が確保できず、営業はできない」と困惑。昨年度は100㌧、以前は200㌧の放流でも営業可能だっただけに、治水安全度を上げる事業が思わぬ事態を招いている。

■来年の鵜飼までに対策/国が意向
20日には地元の山井和則衆院議員(無所属)、宇治市議会「うじ未来」会派の服部正、今川美也、岡本里美の3議員が国土交通省・淀川河川事務所を訪れ、塔の川の水量を何らかの方法で調整し、鵜飼が実施できるよう対策を求めた。
うじ未来は「晴れた日も鵜飼ができない日が増えた。今のような事態が何年も続くのは耐えられない。対策検討のスピードアップを」と要望。同事務所からは「いくつかの案を検討中。宇治の観光関係者の声を聞きながらベストなものを判断したい。来年の鵜飼に間に合うように何らかの対策を打つことを目指している」と、前向きな回答を得られたという。