京田辺から二月堂へ竹送り/大御堂観音寺
力強く竹を持ち上げる子供たちの笑顔があふれる

奈良市の東大寺二月堂の伝統行事「お水取り」(修二会・しゅにえ)の籠松明に使う竹を、奈良まで運び寄進する「二月堂竹送り」が11日、京田辺市普賢寺で行われ、真竹を掘り起こした大人と子供たちが力強く肩に担いで白い息を弾ませた。
早朝、行事を守り伝える山城松明講社(松村茂講社長)の有志と住民らが大御堂観音寺に集まって道中の安全を祈願。威勢よく掘り起こした2本と、事前に用意した6本を合わせた根付きの真竹8本を二月堂まで送り届けた。
竹送りは戦後一旦、途絶えたが、1978(昭和53)年に近畿一円で竹が枯れる現象が相次ぎ、東大寺が松明に使う竹の確保に難渋。話を聞いた京田辺市民が呼び掛けて復活させ、以来毎年2月11日に行い、復活後43回目となる。

道中の安全を祈って寄進竹に筆が入れられる

奈良につながる街道沿いに寄進竹を置くと、道行く人がだれ彼となく運んで行き、やがて二月堂まで届けられた、との言い伝えも。現代によみがえりし竹送りは、ふるさとの伝統に親しんで―と、子供たちが主役となって列を作り、笑顔を弾ませた。境内で祈祷を行い、三神栄弘住職が学業成就などの願いごとを筆でしたためた竹を再びトラックまで運搬。普賢寺小5年の青山航大くんは「二月堂のお松明の行事に関わることができて誇らしい」と晴れやかな表情を見せた。