自分色の春 可憐に開花/久御山浄安寺「椿展」
見頃を迎えた可憐なツバキが並ぶ浄安寺本堂

久御山町佐山の浄安寺(山路芳範住職)で、ツバキの一輪挿しを飾る「椿展」が開かれている。本堂に可憐な花弁が競演し、春の訪れを告げる。4月15日まで。
同寺住職を務めた故・山崎宏賢さんと妻の君香さん(84)が、夫婦で50年かけて挿し木した。境内のツバキは今や約230種にもなり、同寺は「椿寺」として親しまれている。
450年の歴史ある本堂に、紅の花びらに白い模様が入った「小式部」や、「天下に比べる物のないくらい美しい」との呼び声にちなんだ「天ヶ下(あまがした)」などが並ぶ。
多種多様なツバキは備前焼や信楽焼、唐津焼など趣深い花器に生けられ、情緒を醸し出している。
君香さんは「ツバキは寒さに耐えて健気に咲き、それぞれ自分の色を出すのが偉い」と笑みをこぼす。「新型コロナウイルスの影響でやってへんと思っていたけれど、(君香さんの)声を聞けて良かった」と喜ぶ参拝者もいるという。
午前9時から午後4時まで。拝観無料。期間中にツバキを随時入れ替える。見頃を迎える春の彼岸入りの時期には、50点ほど展示する予定。