昔懐かし田辺音頭/京田辺・舞踊連盟が再興へひと役
輪になり田辺音頭を稽古する師匠たち

今の40代辺りまで小学校時代の運動会でも踊った記憶があるという「田辺音頭」を再び―と、京田辺市文化協会(潮義行会長)を構成する7つの連盟のうちの一つの舞踊連盟(小谷寿子代表)を中心に機運が盛り上がっている。一定の世代以上に馴染みある音頭はここ20年来、表舞台から遠ざかり、途絶えつつあったのが、地元のシンボル・象徴として復活させよう―と、関係者が気合いを入れ、文化の伝播に努める。大型連休の5月3日(日・祝)には、ブランチ松井山手の中庭で「市民一体となり、田辺音頭に触れ、踊ってみましょう」と参加を呼び掛けている。
1980年代、一世を風靡したバラエティ番組「オレたちひょうきん族」の中、ビートたけし(北野武)さん扮するキャラクターを主人公に、「T(ティー)~A(エー)~K(ケー)~E(イー)~♪、タケちゃんマ~ン♪~」のメロディーが現40~50代の幼少期の記憶をむずむずとさせる「タケちゃんマンの歌」をはじめ、数多くの20~30代が子供時代に見ていただろう「クレしん」こと「クレヨンしんちゃん」、世代を問わぬアニメの大御所「ドラえもん」のテーマ曲をも取り入れる「田辺音頭」の復活に向けた取り組み。
京田辺市文化協会は、「つくろう!ふるさと京田辺」をテーマに掲げ、第1弾イベントとなる「あなたも田辺音頭を踊ってみませんか?」を5月の連休に予定している。心の拠り所である「ふるさと」の持続発展を願い、老若男女が年齢や立場を超えて心を一つにできるものとして、「田辺音頭」にスポットを当て、市民にとってありふれた、お馴染みの事柄にしようとするチャレンジ。
誕生、由来は不明も、「私が知るずっと前からある」と話す舞踊連盟代表で上方会の小谷寿子会長(上方流・上方寿美家元)は約40年前、地元で盛んに行われた盆踊りの中で演じられた田辺音頭に親しんで、自らも継承に努めた。しかし、その後は「20年近く止まっていた」と言う通り、ほぼ見掛けることのない存在になってしまった。
かつて、地元ならではの盆踊りの演目として、小学校の運動会ではフィナーレで児童が家族共々たおやかに踊る姿も見られたといい、同協会はふるさと創生の一環として、一つずつ再興へ歩む。小谷代表ら市内で手ほどきする舞踊の師匠ら11人が今月19日に中央公民館に集まり、躍動感ある田辺音頭を熱心に稽古。輪になると見よう見まねで後に続き、スマホを構え小谷代表の模範を動画に収めるなど教え子たちへの指導法、広める術を脳裏に描いた。小谷代表は息を弾ませながら「本番は市民を呼び込み、輪を広げたい。タケちゃんマンとアニメの歌もやる」と笑顔を見せる。来年、市も試合会場となり本大会を迎えるワールドマスターズゲームズでのPRも視野に入れ、市全体に普及していく意向だ。
5月3日(日・祝)ブランチ松井山手の田辺音頭イベントは、午後1、3、5時~の、各30分間。問い合わせは中央公民館内の同協会℡62‐2552まで。