書架案内 クリアに/宇治市中央図書館
子供も大人も分かる案内図を手作りした古川さん(宇治市中央図書館)

宇治市中央図書館(市文化センター)内に掲示されている案内図が利用者である市民有志の手でリニューアル―くっきりと大人と子供向けの書架を色分けし、ジャンルの細分も分かりやすく手掛けられたビジュアル案内は利用者の目に触れやすい数カ所に貼られ、目的の本を探す利用者の心強い味方となっている。「手が込んだ秀作をいただいた」と感謝しきりの同館では、掲示以外の活用も見据え、4月1日(水)の開館に向けた準備を整える。
現役時代は、編集や印刷に関わる仕事に就いていた古川隆さん(74)=宇治市広野町東裏=は就寝前の読書がルーティン。サスペンスが好きで図書館からよく本を借りる奥さんにならい、自らも頻繁に利用するようになったという。
新刊に注目する10年以上のリピーターで愛館者。少し気になっていたという見づらい案内図のことをスタッフに話し掛け、「一切縛りなく、自分のやりたい感じで下拵えしてみた」という原案を見せた。十進法に従いタグ付けされる膨大な数の図書が並ぶ書架が、大きく児童と成人に二分してあるのを、分かりやすく児童書(赤)・成人向け(緑)に色分け。児童書は、幼い子供たちが読めるようにひらがなで表記し、「がいこくのよみもの」「えほん」「げいじゅつ」など優しい心遣いが小さな胸を躍らせる。
成人向けの書架でも、忠実で明瞭にテーマを並べ、目的の棚までたやすくたどり着けるように後押しする。
ほかにも、入口すぐと記載台奥の「テーマ展示」、「返却本」を黄色に、「新しく入った本」の文字に色付けして目立たせ、矢印を添えて五十音順の動線を示すなどした。
古川さんは「幾つか種類を作り、何度も見直した。色を付けると分かりやすく、状況をつかみやすい」と述べ、同館の藤井健主幹は「前の案内は剥げて分かりにくくなっていた。とても丁寧に作ってもらいありがたい。掲示以外の活用も考えたい」と声を強める。
新型ウイルス感染症の拡大防止のために閉館が続いたが、4月1日(水)に再開する予定。安田美樹館長は「閲覧席は間隔を開けて配置する。休館中、これまであった要望に答え、絵本をタイトル別に並べ替えた」と来館者を歓迎する。午前9時~午後6時(土日祝は5時まで)。月曜と第4木曜、祝日の翌日は休み。問い合わせは同館℡(0774)39‐9256まで。