戦争・核兵器の廃絶願う/宇治市で平和祈念集会
「平和の像」に献花を行う参列者ら

終戦から75年の節目を迎えた15日、宇治市平和都市推進協議会(会長=山本正市長、15団体)は市役所の「平和エリア」前で第58回市民平和祈念集会を開いた。戦争の犠牲者のご冥福をお祈りするとともに、改めて戦争や核兵器のない平和な世界の実現に向けて邁進することを祈念した。今年は新型コロナウイルスの感染拡大防止のため、規模を縮小したこともあり、子供たちの参加はなく、参列者も約50人と例年の3分の1程度となった。
1945(昭和20)年8月15日の「終戦の日」から75年。戦争を体験した世代が減り、戦争の悲惨さを子々孫々まで伝え続けることが課題となっている。
戦争を身近に感じてもらうため、市平和都市推進協は毎年、小・中学生平和訪問団を結成し、広島、長崎、沖縄に順番に派遣している。しかし、今年は新型コロナの影響で初めて派遣を中止。平和祈念集会での『核兵器廃絶平和都市宣言』(1987年10月、市議会決議・市告示)の訪問団代表による朗読もなくなった。
同集会で、山本会長は「あの痛ましい戦争の犠牲となられました多くの御霊に心より哀悼の意を表しますとともに、今日の平和と繁栄を守り、発展させていくため、不断の努力を傾注する決意を新たにしている。本市では地球上から一日も早く戦争と核兵器を無くすため、平和の尊さ、戦争の悲惨さを次代に引き継ぐ事業に取り組んできた。今後も様々な平和事業を積極的に展開し、平和への道を市民とともに歩み続ける」と挨拶した。
続いて、山本会長、真田敦史・平和都市推進協副会長(市議会議長)が「平和の像」の前に花輪を掲げた。来賓の村井弘・藤山裕紀子・田中美貴子・水谷修の4府議、市議会から渡辺俊三副議長、市議25人が次々と献花。市内に住む被爆者らも花をたむけ、静かに手を合わせた。
正午の合図で「平和の鐘―祈り―」が鳴らされる中、参列者らが1分間の黙祷を捧げ、犠牲者の冥福を祈った。