ニホンザル被害で連携/府南部6市町村
電動式エアガンの試射をする職員

昨年7月に宇治田原町など府南部5市町村の参加で府山城広域振興局が設立した「山城地域ニホンザル被害対策広域協議会」(会長=小森聡・同振興局農商工連携・推進課長)の初めての実務者協議が2日、同振興局で行われた。
協議では、設立当初参加していなかった井手町が加わることを今年度の総会書面議決に基づき確認。農作物被害対策としてニホンザルの駆除・追い払いに役立てる電動式エアガンと個体を識別できる専用無線機を参加市町村に現物貸与し、同課職員が使い方を説明した。また、各市町村が被害状況や対策を述べながら、お互いに意見交換を行った。
電動式エアガンは、球状の弾を射出し痛みを与えて追い払うもの。10~15㍍離れていても、当たれば効果があるという。ルールとして、環境に還る生分解性プラスチック製の弾を用いることを確認した。屋外で使用体験も行い、約10メートル先の的に向けて、出席自治体から2人の職員が試射した。

職員が手にする首輪の電波を無線機で受信

専用無線機は、ニホンザルの行動把握のために府が取り付けてきた首輪の発信器から出る電波を受信し、個体のID番号が分かるもの。府は山城管内で6~7の群れを把握しており、2015年から今年まで14匹に首輪を取り付けている。群れはそれぞれ「悪さの度合いが違う」(片山達也・同課主幹兼係長)といい、個体の移動から群れの動きをつかみ、市町村間で情報交換して対策に役立てる。職員らは周波数の合わせ方を教わり、その場に用意された首輪から出る電波を受信してID番号の表示を確認した。
器具の説明を受け、出席した井手町産業観光課の職員は「住民や農業者と一緒に、地域ぐるみで追い払い活動を進めたい」と話した。
同協議会では引き続き、群れごとの加害レベルの調査や市町村での駆除者の組織化支援などに取り組んでいく。