特別展「宇治を味わう・平等院を味わう」/12月14日まで・平等院ミュージアム鳳翔館
初出展の「宇治製茶絵巻」。茶摘みや蒸しの工程などを細かく表現している

世界遺産の平等院で、秋期特別展「宇治を味わう・平等院を味わう」が、境内のミュージアム「鳳翔館」で開かれている。
源氏物語ミュージアムで今月16日から開催予定の特別企画「宇治を旅する・平等院を旅する」と連携した催しで、2館がタイアップした企画は初めてだという。
今回初出展となる「宇治製茶絵巻」は、丁寧に手間暇をかけた茶づくりの様子がうかがえる。江戸時代後期には、茶師が宇治茶普及を狙い、名所絵や茶摘み図などを取引先の大名家へ贈ることが多くなったと伝えられる。
安土桃山時代につくられたとされる朝日焼の初代陶作「柴舟香炉」も初めての展示。現在の宇治田原方面で刈り取った柴を積み、薪や垣にするために船に乗せて運ぶ「柴舟」は、宇治川の名物として親しまれていた。
江戸時代後期の「都名所図会」では、若鮎を網ですくい上げる漁や、鮎の稚魚である氷魚が当時の名物だったことが記されている。
このほか、境内に石碑と墓が残る「源頼政画像(最勝院本)」や「宇治川風俗屏風」など合計11品を展示。源氏物語「宇治十帖」にまつわる史跡を載せたマップや、「平等院とお茶」と題して史跡を写真付きでまとめたパネルもある。
学芸員の田中正流さんは「宇治、なかでも平等院は、当時から有名なランドマークだった。当館と、川向かいの源氏物語ミュージアムを巡りながら、街全体を博物館に見立てて楽しんでほしい」と話している。
秋期展は12月14日(月)まで開催する。会期中は無休で、途中展示替えあり。午前9時~午後5時。料金(平等院拝観料が必要)は大人600円、中高生400円、小学生300円。