古典を未来に「継続大切」/宇治っ子朗読劇団☆Genji
六嶋さん(左)の手ほどきを受け、発声を繰り返す団員たち

市内の小中学生14人からなる「宇治っ子朗読劇団☆Genji」の開講式と初練習が6日、宇治市文化センター小ホールで開かれた。9年目を迎える取り組みは、前年からのメンバー10人に新規4人を加え、さらにパワーアップ。団員とスタッフは、コロナ禍で昨年度は叶わなかった3月の公演を目指す。
古典の日(11月1日)制定記念事業の一環となる同センター主催の児童生徒向け講座で、源氏物語の市民への浸透を狙う朗読劇は2012年度にスタート。「ひとりものがたり」で知られる六嶋由美子さん(同センター理事)や篠笛・装束着付け担当の奈須秀子さん、辻久さん、中井豊さんが指導に当たり、現代風にアレンジした掛け合いや、原文がたりを含んだバージョンに挑むなど宇治十帖を魅力たっぷりにアピールする。
子供たちの朗読劇は例年、市役所ロビーコンサートや「宇治田楽まつり」「宇治福祉まつり」といった市内イベントをはじめ、「朗読コンテスト」「演劇フェスティバル」などの市外公演でも発表し、実力と度胸を身に付けてきた。
コロナ禍が続く今年度も府助成などを受け開講。感染防止に細心の注意を払い、手洗い、マスク着用を欠かさない小学3年~中学3年の14人(出席12人)が式に臨んだ。
はじめに、土屋炎同センター理事長が「8期生の集大成となるはずだった3月の公演は、大変残念なことに取りやめた。練習の成果を披露する晴れ舞台が失われた。感染防止対策を取りながら講座をやる。守って、元気に参加を。千年前の宇治がどんなふうだったか想像しながら取り組んで。一生懸命練習して来年3月に成果を発揮して」と挨拶。講師陣の紹介のあと、昨年度も団員だったメンバーを含む出席者が一人ずつ抱負を述べた。

感染防止を徹底し、練習に取り組む宇治っ子☆Genji

式のあと、早速講座も開かれ、団長に吉川竜輝くん、副団長に神村柚依さん、辻咲帆さんの2人を決定。六嶋さんは「継続が大事。光源氏の死後、宇治を舞台にした物語をあなたたちがやることに意味がある」と呼び掛けた。
10年の節目を控え、初回から六嶋さんの檄が飛び、フェイスシールドを装着した団員たちはグループに分かれて、発声、台本読みに励んだ。
来年3月まで土・日・祝の20日間練習し、3月14日(日)に同センター大ホールでマンドリンアンサンブルと共演する発表会を予定している。