京都府は、一般の土地取引価格の指標となる地価調査(7月1日時点)による基準地の標準価格を、30日付け公報で発表する。府内400地点の対前年平均変動率は、全体で0・4%減となり、5年ぶり下落。住宅地は0・8%減で前年度の上昇から下落に転じた。また、商業地は7年連続の上昇となったものの、上昇幅は0・4%増(前年7・1%増)と大きく縮小。新型コロナウイルスが地価にも悪影響を与えた。
府内の平均変動率は全体で0・4%減(前年2・0%増)となり、5年ぶりに下落した。
用途別では▼住宅地=0・8%減(同0・1%増)▼宅地見込地=1・1%減(同0・7%減)▼商業地=0・4%増(同7・1%増)▼工業地=2・8%増(同7・9%増)。コロナの影響で、いずれも前年よりも悪化した。
住宅地について、府は「コロナで所得や雇用への不安感が影響」とし、3年ぶりに下落。上昇地点は昨年の82地点から39地点に減り、本紙発行エリアの上昇地点は宇治市、城陽市、京田辺市の各1地点のみとなった。
商業地は「コロナで特にインバウンド(訪日外国人観光客)の影響を大きく受ける観光地で今年1月から6月までの下落幅が大きかった」と府は分析し、7年連続で上昇したものの、上昇幅が大きく縮小。上昇地点は65地点から34地点に減少し、地元も宇治市、京田辺市の各1地点の上昇にとどまった。
工業地は6年連続の上昇となり、2023年度に全線開通する新名神高速道路が府南部地域に整備されるため、府は「物流や配送業者による土地需要が高まっている」と分析しつつ「コロナや米中貿易摩擦の影響により上昇幅は縮小」と説明した。上昇地点は昨年同様の14地点だったが、宇治市と久御山町が各2地点、城陽市や京田辺市、宇治田原町が各1地点と地元で7地点を占めた。
継続389地点の比較では、上昇が87地点(前年161地点)、横ばいが98地点(同81地点)、下落が204地点(同150地点)となった。
地元の住宅地の変動率は▼宇治市=0・3%減(前年0・0%)▼城陽市=0・4%減(同0・2%増)▼京田辺市=0・8%減(同0・1%減)▼久御山町=1・5%減(同0・9%減)▼井手町=4・4%減(同2・9%減)▼宇治田原町=0・4%減(同0・4%減)。宇治市、城陽市が下落に転じた。
一方、地元の商業地(久御山町、宇治田原町は設定なし)の変動率は▽宇治市=0・6%減(前年3・2%増)▽城陽市=0・7%減(同0・8%増)▽京田辺市=0・3%増(同2・3%増)▽井手町=4・3%減(同2・1%減)。こちらも宇治市、城陽市が下落に転じる中、京田辺市のみ上昇をキープした。