企画展「寿(ことほ)ぐ!屏風絵」/2月14日まで・宇治市源氏物語ミュージアム
金地の背景に鶴が描き分けられた「田圃に鶴図屏風」

屏風(びょうぶ)絵の魅力を味わう企画展「寿(ことほ)ぐ!屏風絵」が、宇治市源氏物語ミュージアムで開催されている。新年にふさわしい鶴や松、正月風景などが描かれた江戸期の屏風を公開する。来年2月14日(日)まで。
アシの生えた田んぼに降り立つ鶴を画題にした「田圃に鶴図屏風」(六曲一双)には、金地を背景に滑らかな筆致で描かれた丹頂鶴(たんちょうづる)、黒鶴(くろづる)、真鶴(まなづる)の3種が競演する。

「源氏物語図屏風」には宇治十帖にちなんだ場面が登場

「源氏物語図屏風」(六曲一隻)には橋、柳、紫舟、網代など宇治川の風景と、それを眺める男女が登場し、宇治十帖の「総角(あげまき)」や「浮舟(うきふね)」の場面とも想像できる。
「正月風俗図屏風」(六曲一双)は、洛中の武家と公家それぞれの屋敷での新春の一コマ。羽根つきや祝儀芸能などで華やいだ風景の中に縁起物の門松や鶴、亀、大黒様に扮した人の姿もあしらわれている。

公家などの正月を寿ぐ風景が描かれた「正月風俗図屏風」

同館学芸員の家塚智子さんは、古典で「まつ」が「松」と「待つ」の掛詞(かけことば)になることを説明。「今回の隠れテーマは『待つ』。(コロナ禍で)今はじっとしている時だけれど、じっくり時を過ごし、『春』が来るのを待ちましょう」と話し、人々の心が晴れ晴れとする日の訪れを思い描く。
会期中、展示替えをしながら屏風を計9点公開する。併せて、源氏物語の注釈本「湖月抄」や「古今和歌集」などの版本を並べる。午前9時~午後5時。月曜休館(祝日の場合は翌日)。年末の開館は27日まで、年始は1月5日から。問い合わせは同館℡39‐9300へ。