冬季特別展『心ときめく映画の世界』/3月21日まで・城陽市歴史民俗資料館
時代劇の名シーンにもしばしば「流れ橋」が登場した

城陽市歴史民俗資料館「五里ごり館」=文化パルク城陽西館4階=で、23日から、JOYOエコミュージアム冬季特別展「心ときめく映画の世界」が始まる。日本映画の草分けとなった京都の映画館の歴史に始まり、木津川に架かる「流れ橋」や「山砂利採取跡地」などロケ地として縁の深い場所がある城陽市との関係を貴重な実物展示を交えて紹介。時代劇ファンには必見の特別展となっている。期間は3月21日(日)まで、最終日は誰でも入館無料とする。
幕末の混乱から明治維新へと時代が移り変わった頃、日本の政治、産業、文化は大きな変革を余儀なくされた。特に、京都は東京遷都で10万人もの人口流出が起こった余韻を引きずり、まちを活気づけるため、官民一体となって産業の近代化を図ることになる。
その一つが京都からフランスへ留学した染色技師・稲畑勝太郎氏(後に大阪商工会議所会頭)が持ち帰った「シネマトグラフ」という機械。「写真が動く」という当時、画期的だった技術に驚いた稲畑氏は、その機材と東洋での興行権を購入。1898年に帰国した稲畑氏は、島津製作所と京都電燈(現・関西電力)の協力で、日本で初めてスクリーン映画を上映した。
その場所が京都市中京区木屋町にある旧立誠小学校付近にあった京都電燈本社で、今はその地にホテルが建っており、『日本映画発祥の地』という駒形看板も建立されている。
今回の特別展では、これら日本映画発祥の説明から始まり、今ではすっかり「東映太秦映画村」として馴染みのある東映京都撮影所をはじめとする京都市内にある撮影所・映画館の紹介や昭和30年代にもてはやされた「手書き看板の世界」などが紹介される。
さらに、昨年夏に城陽市中の龍福寺の前住職から市歴史民俗資料館に寄贈があった「マッチのレッテル(ラベル)コレクション」約3万2000枚から、映画館の宣伝に使用されたものや撮影用機材の広告マッチの図柄も数多く展示される。
このほか、同市寺田のアマチュアカメラマンとして名高い谷久男さん(79)の協力で、東映時代劇のスチール写真『新蛇姫様・お島千太郎』『将軍家光の乱心・激突』もパネル展示。そのうち、1989年『激突』は、緒形拳主演映画で城陽の山砂利採取跡地でもロケが行われ、その模様を取材した城南新報(現・本紙)の記事も拡大展示されている。
また、時代劇のロケ地・流れ橋=全長356・5㍍、幅3・3㍍=は、八幡市上津屋と久御山町佐山を結ぶ木造橋だが、架設のきっかけは1889年まで城陽市と八幡市にまたがる上津屋村の行き来しやすくするため、地元要望を受けて「安価な木造橋」が架けられ、洪水で傷んでも復旧費が安くつく橋板、橋桁が流れる仕組みとなったことが伝えられている。
今回の展示品は写真・図表・イラスト110点と実物75点を合わせた185点。最後に、知る人ぞ知る昭和初期に5年間だけ、今の城陽市にも常設映画館があったことも写真で紹介。場所は現在の市観光協会事務局がある近鉄寺田駅東側。名称は『鴻巣館』で、当時を知る人は「その映画館と大久保にあった栗隈館に映画を見に行きました」とコメントを寄せている。
なお、観覧料は大人(高校生以上)200円、小・中学生100円。だが、市内在住の小・中学生や65歳以上の高齢者、身障者手帳を持っている人は無料。開館時間は午前10時から午後5時。文パルと同じく月曜日や祝日の翌日などは休館。3月21日(日)まで。なお、最終日は来館者全員が入館無料となるお得な日だ。