「あきらめない」胸に/宇治田原町維孝館中で卒業記念講演
お天気キャスターの片平さんが思いを届ける

宇治田原町立維孝館中学校(吉原昭校長)で10日、3年生82人を対象にした卒業記念講演会が開かれ、夕方の関西テレビの番組「報道ランナー」内でお天気キャスターとして活躍する片平敦さん(39)のメッセージに門出を目前に控えた生徒たちがじっくりと耳を傾けた。
昨春からのコロナ禍、学校生活でも様々な制約を余儀なくされた卒業生に贈る愛と励ましのラストメッセージ。講師に招かれた片平さんは埼玉県出身の気象予報士で、2005年から関テレのお天気キャスターとして茶の間でお馴染みの存在。マスクを着用し間隔を空けて席に座った生徒たちに、ダジャレを交え今後の人生へエールを送った。
すらっとした長身の片平さんは大学在学時にテレビデビューした頃の逸話を明かし、「裏方も経験して、チームワークの大切さが分かった」と声を強めた。
03年に日本気象協会に就職すると、営業部配属から05年に見ず知らずの関西へ異動。数多くのテレビ・ラジオ局に出演し、関テレでは17年目になる夕方枠の「報道ランナー」キャスターもすっかり堂に入っている。
「夢は続く。なりたい…からこういうキャスターでありたい…に。災害から国民の身を守ることが一番の使命」と伝え、「先手を打ったら損はせんてん…」と笑いを誘いながら、「気候危機の時代に皆さんの言葉と行動が大切な人を守る」と背を押した。
「後輩が見ている。志をあきらめないで」と励みにする先輩の言葉を紹介し、「夢が決まってなくても大丈夫。深刻に考えず楽しく」などと呼び掛けた。

コロナに翻弄された学校生活もあと少し…感染対策で間隔を空けて着席した生徒たちが片平さんと記念撮影に納まった