人材育成、研究推進へタッグ/同志社女子大と京都医療センター
協定を取り交わす小池院長と飯田学長

京田辺市にキャンパスを構える同志社女子大学と独立行政法人国立病院機構京都医療センター=京都市伏見区深草=は23日、「学術交流等に関する包括協定」を締結。医療・看護系の学生やスタッフの交流をはじめ、音楽学科の学生による公演や音楽療法への参画など、全学にまたがる交流や研究の深まりに期待が高まる。
1875年、新島襄が同志社英学校を創設。翌年、京都御苑内のディヴィス邸で新島八重らが女子塾を始めたのが今に至る同志社の端緒。新島の頭には、医学部の構想が当初よりあったといい、同志社女子大京田辺校地には、薬学部(医療薬学科・6年制)、看護学部(看護学科)と各大学院研究科があり、今出川校地には管理栄養士らを養成する生活科学部(食物栄養科学科など)も備える。
教育・研究と医療等の全般における交流と連携を推進し、相互の教育・研究・医療技術の進展と地域社会発展へ寄与するのが目的の包括協定。京田辺キャンパスでこの日、小池薫・京都医療センター院長と飯田毅・同志社女子大学長が協定書にサインして取り交わした。
医療従事者から先行接種が始まったコロナワクチン。京都府でも真っ先に接種を行った同センターの小池院長は「京都市最大人口の伏見区の中央で、急性期医療やガン治療、地域包括医療の基幹を担う。同女大は病院に不可欠な人材を育成されている。学生、スタッフの交流を進めよう。両者の知見を共有し、地域全体の発展に貢献できる。広く社会に成果の還元を」、飯田学長は「これまでも実習で学生を受け入れていただき、歩みを着実に定着させたい。同じく府南部を拠点に、知見を共有し、地域医療の発展を」と挨拶した。
直近3年間、薬・看護・管理栄養の分野で合計58人の学生が同センターで実習を経験。今春、看護学科の学生1人が同センターに就職する。
包括協定は、医療・看護系学部のみならず人文科学など全学にまたがる交流を規定。認知症の人への音楽療法や、同センターでのコンサート開催などで学生の活躍に期待が寄せられる。
また、同大と同センター附属京都看護助産学校(3学年・学生258人)で共同実習や研究をより進め、連携と実践も深めるという。