ICTフル活用 双方向で生徒会総会/久御山中
多目的教室(写真上)から発信された映像が、各教室に設置されたディスプレーに映し出される(写真下)

久御山中学校(布川宏校長)で、1年生から3年生までの全教室をテレビ会議システムでつなぎ、双方向通信の生徒会総会が開かれた。府内でも珍しい取り組みといい、ICT(情報通信技術)を活用した画期的な総会で意見を交わした。
同システムを活用するメリットは、全校生徒が体育館に集合する必要がなく、各教室に居ながらにして総会に参加できるということ。そして何より、送信側と受信側による双方向の情報発信で意見交換が可能となっている点。1カ所に大勢が密集することで生じるコロナ感染リスクを避けることもできる。

多目的教室のメイン画面には、各教室の様子が映し出されている

仕組みは、生徒会担当の畑中駿吾教諭が創意工夫を凝らして構築した。総会を進行する生徒会本部役員や各委員長らが集う多目的教室(送信側)と、1年生から3年生までの全12教室(受信側)に各1台ずつ、計13台のタブレット端末を設置。それらをテレビ会議アプリ「Teams(チームス)」でつないだ。これにより、多目的教室にいる本部役員らが発言する映像などを全教室に設置されているディスプレーに映し出したり、各教室からの意見・質問や採決の模様を全校生徒が共有できる。
また、国が推進する「GIGA(ギガ)スクール構想」の一環で、生徒一人ひとりに行きわたっているタブレット端末に議案書が映し出される。全校生徒に議案書を配布すると、大量のコピー用紙を消費するが、各自の端末でそのデータを共有すれば、ペーパーレスで環境にも優しい。
4日に行われた総会では、同校の昨年度の活動実績が報告され、今年度の活動方針や各委員会の活動目標・計画などを提案。質疑応答や採決の場面では、最大の目玉である双方向通信もしっかりと機能し、5つの議案は全て承認された。
初めてのオンライン総会を終えて、システムを構築した畑中教諭は、「例えば、体育大会のブロック抽選会も可能だ」と、今後の活用方法について触れ、「全校生徒のタブレットをつないで何かができたら面白そう」と、より良いアイデアを模索していく。また、生徒会長の大畑劉成くんは、「この学校をもっと良くするには、本部役員のメンバーや先生方の力だけでは無理。やはり全校生徒が意見を出し合うことで、よりファンタスティックな学校になると思う。思わぬハプニング?もあったけど、めっちゃ楽しかった」と充実の表情を見せていた。