いにしえの姿、再現/宇治川太閤堤跡
水を堰き止めた石積み護岸と杭止め護岸

天下人・豊臣秀吉が築堤した国史跡・宇治川太閤堤跡(京阪宇治駅北西)の再現遺構に今月初め、水が張られ、いにしえの姿が復活した。
太閤堤跡は、秀吉が取り組んだ大規模な治水事業の一端が分かるほか、当時の高い土木技術を知ることのできる超一級品の遺跡。石を重ねた「石積み護岸」、杭などを打ち込んだ「杭止め護岸」、そして水の勢いを抑制する施設(石出し、杭出し)で構成。市は遺跡の直上にGRC(ガラス繊維強化セメント)を用いて原寸大の遺構を再現させており、現在の宇治川堤防の上から、安土桃山時代の姿を見ることができる。

水面レベルから見える宇治川太閤堤の再現遺構

この太閤堤によって砂州が形成され、茶園の適地となり、現在の『お茶のまち』の礎となった経過もあり、歴史ロマンあふれる施設となっている。
ただ、宇治川太閤堤跡を含めた『お茶と宇治のまち歴史公園』は新型コロナウイルスの影響で開園時期が未定のまま。当初は今月1日を想定していたが、緊急事態宣言の発出もあり、延期している。