初の常設展示コーナー登場/宇治市歴史資料館
製茶・米作・漁業の3本柱で民具を中心に並べた同館初の常設展示コーナー

宇治市歴史資料館(家塚智子館長、折居台)で22日、1984年の開館以来初となる常設展示コーナーが登場した。宇治の製茶、巨椋池の漁業、干拓と米作りにスポットを当て、民具と写真パネルを通して宇治の昔を感じ取ってもらう。
宇治市史をみると、山間部・平野・巨椋池の水辺…というように同一地域にありながら異なる空間が存在していたことが分かる。常設展示では、これら3つの空間における人々の営みに焦点を当て、民具や写真などを中心に当時の様子を知る材料を提示する。

描画パネルの下に当時使われていた製茶用道具を展示

展示は製茶・米作・漁業の3本柱で構成。このうち、茶づくりについては、会場中央に言わずと知れた茶つぼや茶籠があるほか、明治時代の『製茶図』パネルを蒸し・乾燥・茶葉の精選(より分け)などの工程ごとに並べ、下に撰板などの茶器具を置いて、実際の製茶風景をイメージしやすくした。
1933~41年の巨椋池干拓工事を経た米作りのコーナーでは、干拓直後の田んぼが柔らかくぬかるんでいたため使われた田下駄や田舟を展示。このほか、モンドリ(魚を捕るワナ)や投網など巨椋池が存在していた時代の漁業用具も並べている。
ショーケースの中には、巨椋池干拓工事に関する資料があり「コロナがある程度収まったら、資料館の名の通り、資料をベースに対面で児童生徒たちに解説できればと思う」と担当者は話していた。

■企画展は収蔵展示室で

企画展の『日本俯瞰近畿東海大図絵』(1927年、吉田初三郎画)

常設展示コーナーの奥「収蔵展示室」では、従来どおり企画展を開くこととしており、会期は概ね1~3ケ月。今回は「絵図でめぐる宇治・京都」をテーマに、明治、大正、昭和時代に発行された旅行案内や、鮮やかな色彩のパノラマ地図などを通して、地域の名所をたどる。
新企画として、入館者に対し「しみじみ資料」を配布。第1回目として、昭和の初め、本州全体を描いた吉田初三郎画『日本鳥瞰近畿東海大図絵』の中に小さく載っている「平等院」を遊び感覚で探し、じっくりと見て「しみじみ」楽しんでもらう。
同企画展は7月18日(日)まで。無料。時間は午前9時~午後5時で、月曜・祝日休館。問い合わせは℡0774‐39‐9260へ。