夏季特別展『城陽の鉄道物語‐思い出の駅と車両』/9月5日まで・城陽市歴史民俗資料館
夏季特別展期間中には、新幹線やNゲージを走らせる企画も…

この夏もコロナ禍で「家族旅行に行けない」という市民に旅気分を味わってほしい。そんな思いがこもった夏季特別展「城陽の鉄道物語‐思い出の駅と車両」が17日から文化パルク城陽西館4階にある市歴史民俗資料館「五里ごり館」で始まった。鉄道愛好家の協力により、ジオラマでNゲージが走る企画があるほか、市内に6駅あるJR奈良線と近鉄京都線の歴史を詳しく解説。鉄道ファンには必見の展示だ。
今年は、1896(明治29)年に奈良鉄道=現・JR奈良線=が開通して125年目となる。開通と同時に、まず駅舎が開業したのは、かつての宿場町・長池。京都と奈良の中間点であることから、SL用の給水塔・貯炭所・転車台などが設けられたと伝わる。
そのあと、1926(大正15)年には観梅期のみの臨時駅として「青谷梅林仮停車場」ができ、33(昭和8)年に常設の山城青谷駅に昇格した。
現在、快速停車駅となっている城陽駅ができたのは何と一番遅く1958(昭和33)年のこと。新田~長池間が短くなることから、なかなか実現できなかったようで寺田村にとっては悲願の駅開業だったようだ。
城陽市民に馴染みの深い奈良電気鉄道=現・近鉄京都線=は、1919(大正8)年に南山城を地盤とする当時の衆院議員・長田桃造を中心に企業家・資産家ら50人で国に鉄道施設の申請を行ったことが発端。その後、関西電気軌道と合併し、25(大正14)年に奈良電気鉄道㈱を誕生させた。
市域を走る桃山御陵前~西大寺間が開通したのは28(昭和3)年のこと。木津川鉄橋下にあった海水浴場は1955年(昭和30)年にピークの17万人を集客する人気ぶりだった。ただ、現在に至っても久津川・寺田・富野荘3駅とも急行が停車しないこと、駅前整備が不十分なことは市民にとって残念ではある。
夏季特別展では、これら城陽にまつわる鉄道の歴史を実物230点、パネル124点の計354点で紹介。初公開は、城陽酒造の島本稔大社長所蔵の33(昭和8)年の山城青谷駅開通時の記念写真など。
また、今では使われなくなった鉄道各社の磁気プリペードカード(Jスルー・スルッとKANSAI・パールカード)も各種展示され、Nゲージとともに鉄道ファンの注目を集めそうだ。
そのほか、1975(昭和44)年に英国エリザベス女王が来日した際に、乗車された近鉄12200系特急のテーブルとイス(近鉄グループホールディングス所蔵)の実物も展示されている。
五里ごり館の開館時間は午前10時から午後5時、観覧料は大人200円、小中学生100円。ただし、市内在住の小中学生や65歳の人らは無料。特別展最終日の9月5日(日)は誰でも観覧無料となる。
ロビーでは、アマチュアカメラマンの谷久男さん(寺田)が制作・編集したSLの映像、知る人ぞ知るSL写真家・小菅一己さん(富野)の激写パネルも数多く展示されている。