未知の体験で技術習得/久御山「消防マイスター講習会」
防災マップを作成し、避難経路を確認

久御山町消防本部(内座元巳消防長)は7日、同本部で「消防マイスター講習会」を開いた。児童らが普段、自宅や学校などではできない体験を通して、消防や防災の知識や技術を学んだ。
この講習会は、同本部が今年度から実施する新たな取り組み。町内の児童・生徒に地域防災の重要性や、命を守るための技術を習得してもらうことなどを目的に実施。この日は、小学生3・4年生を対象とする「3級講習会」が開かれ、親子7組14人が参加した。

水消火器の取り扱いを学ぶ児童たち

冒頭、橋本修消防署長が児童らに「講習会でいろんな体験をして、防災について楽しく学んで」と挨拶した。
参加親子はまず、防災マップを作成。地震や水害が起きた時の避難経路を探った。ハザードマップも活用し、最も安全に避難所へ行く方法を確認。防災への意識を高めた。
煙体験では、低い姿勢を保ちつつ、口と鼻をタオルで抑えて脱出することを学んだ。また、水消火器を実際に噴射して取り扱い方法を習得。防火衣や呼吸器も着装し、その重さを確認。放水体験では、職員の力添えを受けながら、ずっしり重いホースを目標物に向けることの難しさを体感した。アルファ米を使用した非常食も食した。ポンプ車、救助工作車、救急車の機能についても学んだ。

呼吸器を背負い重さを確認

最後に講習を一通り終えた受講者に、橋本署長から認定証が交付された。
水野颯大くん(佐山小4年)は「煙体験は、真っ白で何も見えなかった。何とか出口にたどり着けた」と、火災現場の恐ろしさを体感。母・実乃里さんは、防災マップの作成を通して「災害に遭った時の集合場所を決める程度だったが、避難所までの経路については初めて考えた。小学校が近いので通学路を避難経路に決めた」と、実際の避難行動に備えた。
小山大璃くん(東角小4年)は「いろんな体験ができてよかった。放水体験では思いっ切り水をかけて楽しかった」と笑顔。「今まで防災について考えたことはなかった。来年も参加したい」と、この日の体験が防災意識を高めるきっかけとなったようだ。
今後は、小学5・6年生が対象の「2級」を9月18日(土)、中学生以上が対象の「1級」を11月13日(土)に実施予定。先着順で申し込みを受け付けている。問い合わせは、久御山町消防本部予防課℡075‐631‐1515へ。