企画展「市制70周年記念(1)宇治の指定文化財」/12月5日まで・宇治市歴史資料館
半世紀前に初めて宇治市指定文化財となった大般若経

宇治市歴史資料館(家塚智子館長)=折居台・市文化センター内=で「市制70周年記念①宇治の指定文化財」が始まった。コロナ緊急事態宣言はようやく明け、9月開始予定だった企画展も同館再開とともに幕を開けた。市内にある数々の国・府・市指定文化財を紹介する実物とパネルを展示する。
本来であれば、9月18日開始を予定していた秋の企画展。市制70年を記念した「宇治の指定文化財」をタイトルに掲げる。
1968(昭和43)年、宇治市に市文化財保護委員会条例が、翌年に市文化財指定条例が制定された。
初めて市指定文化財に指定されたのは、白川にある地蔵院所蔵の大般若経と、紺紙金泥法華経(70年10月)。平安~江戸期にかけて書き写された大般若経の大半は平安末期のもので、600巻のうち563巻が現存。
銀色の枠組みの中、金色の文字をしたためた紺紙金泥法華経(平安時代)は金色院の遺宝と伝わり、これらの実物を並べる。
また、市指定文化財で同館が所蔵する宇治橋銅擬宝珠(江戸時代)は、享保年間まで使われていた実物で、現今のモデルとなったもの。
側面には年号が記され、宇治橋が架けられた1636(寛永13)年の記録を示す。
ほかに、府暫定登録文化財の上林三入・上林味卜家文は御用茶師と将軍家、大名家とのやり取りを残す。企画を担当する坪内淳仁さん(博物館管理課)は「普請の跡など地域の歴史を知る上でも貴重」と強調する。
初指定から半世紀を経て、市指定文化財は56件、国指定文化財は56件、府指定文化財は112件の合計224件に上る。
今回は、それらの中でも市指定文化財を中心に歴史資料、書跡典籍、工芸品、彫刻、考古資料を盛りだくさんに伝える。
展示は計35点。木造女神坐像(下居神社蔵、市指定文化財)など期間内で展示替えするものもある。
坪内さんは「指定を受けていない文化財もたくさんある。地域の歴史を掘り起こしていく根幹。皆さんもフィールドワークに積極的に外へ出掛けてほしい」と呼び掛ける。
当時の庄屋や寺などに眠る遺物も年代を経るにつけ、散逸が進むと危惧する。
12月5日(日)までの午前9時~午後5時。観覧無料。月・祝休館。問い合わせは同℡39‐9300まで。