放ち鵜飼へスタンバイ/宇治
宇治川太閤堤跡の復元池で、放ち鵜飼の訓練中(先月20日)

来年春の事業化を目指す宇治の「放ち鵜飼」。デビューに向け、ウッティーこと人工ふ化で誕生したウミウ8羽が、お茶と宇治のまち歴史公園内、宇治川太閤堤跡の復元池で訓練中だ。
追い綱を使わずに鵜を水辺に放って魚を捕らせ、鵜匠が呼び寄せる「放ち鵜飼」。島根県益田市で2001年に実施されたのを最後に、国内での開催は途絶えている。
暑さの和らいだ8月後半からトレーニングがスタート。まずは復元池の場所や環境に慣れてもらうところから始まり、綱無しで岸まで戻ってこれるのを目標に、目下魚を捕る練習を重ねている。

人慣れしているウッティー。左の2羽は「ウッティー2世」

ウッティーは野生の鵜と異なり、人慣れしているのが特徴とはいえ、塔の島にある鵜小屋からの車移動など、まさに「初めて」づくし。鵜匠の沢木万理子さんは「場所に慣れてもらうのに一番時間がかかった」と苦労を口にした。
先月までに、放ち鵜飼のホームページが完成。毎日のトレーニングと並行してビデオ撮影も行っており、年内にはウッティーたちが少しずつ成長していく動画を公開できる見込み。
初めてのお披露目は今月25日、菟道小学校の児童を招いて行う予定。ウッティーとの息の合ったコンビネーションを実現すべく、鵜匠たちがスタンバイ体制を整えていく。

■ウッティーのスタンプラリー
先月30日から、宇治生まれ「うみうのウッティー」ゆかりのスポットを巡る「おさんぽデジタルスタンプラリー」が始まった。
市観光協会が推進する新しいツーリズムの一環で、国が実施する「地域の観光資源の磨き上げを通じた域内連携促進に向けた実証事業」に応募し、採択されたもの。
専用のサイトから参加。スマートフォンのGPS機能を利用し、中宇治のスポット6カ所を巡っていくと、ウッティーのスタンプが「成長」していく仕組み。
スタンプ5つで特製クリアファイルを全員に進呈。6つ全部集めると、中宇治地域の4商店街で使える共通商品券(3000円分)が抽選で当たる。
実施期間は12月26日(日)まで。問い合わせは観光協会℡23‐3353へ。