先人の思い今に継ぐ/宇治・県神社で献茶祭
口切りを行った茶壷から香り豊かな茶葉があふれ出た

宇治市宇治蓮華の県神社(田鍬到一宮司)で5日、恒例の献茶祭が営まれた。
地元の茶道、茶業関係者らが古式ゆかしい茶壷口切り式を見守り、先人の偉業に思いを馳せた。茶の品質向上と茶業振興を祈る儀式で、戦後間もないころから毎年、執り行われている。
儀式は本殿で営まれ、入江宗輔さんが堀井長太郎さんの介添えで茶壷の口切りを行った。てん茶の茶壷の封を小刀で切り初夏に摘まれた茶葉を取り出し、石臼で挽いた。その抹茶で藪内流第14代家元の藪内竹卿紹智さんが濃茶と薄茶を点て、神前に捧げた。
祝詞奏上に続いて茶業関係者や神社総代らが順に玉串を奉納し、宇治茶と茶業、茶道の隆盛を祈願した。
献茶後は例年、濃茶、薄茶、点心の拝服席が設けられるが、あいにくのコロナ禍、感染防止のために開かなかった。