従業員の命 火災から守れ/久御山で防火管理研修会

久御山町消防本部(内座元巳消防長)と町防火危険物安全協会(竹内昇会長)は15日、役場コンベンションホールで今年度の「防火管理研修会」を開いた。町内の27事業所の防火管理者や防火担当責任者のほか、防火危険物安全協会員ら計33人が参加。従業員の命を火災や災害から守る方法を学んだ。【写真】
内座消防長は「火災予防には出火リスクの把握、危険の予知活動、定期的な訓練が大事。事業所内の防火活動に引き続き努めて」と挨拶。竹内会長は「事業所の自主防災の知識をさらに高め、自衛消防力の充実・強化を図り、災害のない地域社会や事業所を目指していきたい」と述べた。
研修会の第1部では小森倫消防副士長が「消防訓練の重要性」について解説。先月中旬、7人の死傷者を出した新潟県村上市の工場火災に触れ、死亡した6人のうちの4人が閉鎖された防火シャッターの前で倒れており、避難口を見つけられずに命を落とした可能性があると指摘。不十分な消防訓練、あいまいな防火管理体制が原因と分析し、従業員全員が避難経路を把握しておくなど、日頃の自主防火管理体制の整備を求めた。
第2部では谷川昌夫予防係長が「火災からの避難」について解説。2019年7月に起きた京都アニメーションの火災を機に京都市消防局が作成した指針「火災から命をまもる避難」に沿って、実際に火災に巻き込まれた場合の避難方法を紹介した。①階段に煙がなく、使用可能な状況②階段が煙により使用不可の状況③階段及びフロア全体に煙が流入し避難者自身が煙に覆われ危機的な状況、といった「火災人命危険レベル」別に避難方法を示した。また、防火シャッターの前に物を置くなどすると、避難行動に支障をきたすことから、日頃の適切な防火管理の実施も呼び掛けた。
最後に辻村予防課長が「各事業所ごとに危険性を的確に把握した上で、防火管理体制の充実・強化を」と締めくくった。