大切な「食」 五感働かせて/田辺中・総合的な学習
冊子とリーフレットの中身にじっくりと目を通す生徒たち

田辺中学校(脇本佳彦校長)で6日、大学・地域パートナーシップ研究事業の一環となる「食育」がテーマの総合的な学習が行われ、2年生302人は自らの食事を振り返った。
2005年に京田辺市と同志社女子大学が結んだ連携協定に基づく「まちづくり調査研究事業」の一つ。
19年度には、豊かな人間性や生きる力を身に付けるのに何より食が重要―ととらえ、同大生活科学部食物栄養科学科の小切間美保教授と市が協働。
中学生の食への関心と興味を深め、自らが食を選択するきっかけとなる読み物の作成を進めた。
実践栄養学研究室の学生と小切間教授らは大住・田辺・培良の3中学校生徒会にヒアリングして、冊子「Eat right,Be bright~良い食べ方は、あなたを輝かせる」(B5判・35㌻)にできるだけ生徒の意見を反映させた。
食の基本情報をはじめ、保護者や生徒が簡単に作ることができ、栄養バランスの取れた朝・昼・間食のレシピ集、食に関するクイズなどもふんだんに盛り込み、その後3校の全生徒に配付した。

■栄養バランス評価を

昨年に続いて4クラスごとに分けた体育館での講義で小切間教授は食生活の大切さ、食から始まる自尊心について強調。
「人類の歴史は700万年にわたるほとんどが飢餓(きが)。ここ数十年、急に飽食の時代。脂肪は、飢餓に耐え抜いてきた進化の仕組み。年齢を重ね、劣化は始まっている。知恵を付けてもらいたい」と呼び掛けた。
栄養の偏り、朝食を取らない―など様々な課題の一方、「食べる行為は、五感を働かせる。朝に食べよう」と呼び掛け、生徒の夏休みチャレンジ企画となる「朝食の栄養バランス評価」ワークシートをアピール。
朝ごはんを作って食べよう―と、何でもいい、何かを食べることで加点していくルールを説き、「きのうときょう、きょうとあしたを比較してみて。朝ごはんを楽しもう」と背を押した。
生徒たちは「学んだことを今後、生かせるようにしたい」と食生活のアドバイスとヒントに感謝の気持ちを伝えた。
調理に励んだ生徒の記録をはじめ、意識と行動の変化について、学生は調査報告にまとめるという。