企画展「源氏物語から広がる世界」/11月20日まで・宇治市源氏物語ミュージアム
万年筆などの遺品

宇治市源氏物語ミュージアム(家塚智子館長)で、企画展「源氏物語から広がる世界‐名誉館長瀬戸内寂聴先生とともに‐」が行われている。
構成は大きく分けて2つ。1つは源氏物語が江戸時代になって庶民にまで知られるようになった「広がり」。もう1つは、2021年に99歳で亡くなった瀬戸内寂聴・同ミュージアム元名誉館長の直筆原稿、遺品などだ。

浮世絵にまで描かれた「偐紫田舎源氏」の主人公

源氏物語の読者は、書かれた当初は貴族だけだったが、江戸時代になると印刷技術の発展とも相まって、知識人から庶民にまで知られるようになる。展示では、本居宣長も参照したという注釈書「湖月抄」、源氏物語のパロディ本とも言え大人気となった「偐紫田舎源氏」(にせむらさきいなかげんじ)、その主人公を浮世絵にした「山城宇治川蛍狩之図」などが並ぶ。
瀬戸内寂聴・元名誉館長のコーナーでは、『源氏物語』現代語訳の直筆原稿・全約4000枚の一部を展示。愛用の万年筆や眼鏡、ノートなどの遺品も見ることができる。「藤壺」と歌舞伎の脚本「源氏物語 須磨、明石」は、初出陳。これらは同館に寄託されていたが、瀬戸内さんが逝去した後寄贈された。

「橋姫」の帖の現代語訳手書き原稿

手書き原稿は修正の跡が幾つも見られる。担当した学芸員の坪内淳仁さんは、「産みの苦しみを感じてもらえたら」と話している。
また、瀬戸内さんを写したパネル5枚には、なぜ源氏物語が私たちの心を打つか、という疑問への瀬戸内さんの答が、短い言葉で書かれている。
11月20日(日)まで。10月18日から後期として、展示替えが行われる。
午前9時~午後5時(入館は午後4時30分まで)。月曜(祝日の場合はその翌日)休館。観覧料は大人600円、小人300円。問い合わせは同館℡0774‐39‐9300まで。