グッドデザイン賞を受賞/宇治川塔の島地区改修事業
宇治川塔の島地区の上空写真(近畿地方整備局提供)

国土交通省近畿地方整備局は7日、宇治川塔の島地区における河川改修事業が(公財)日本デザイン振興会のグッドデザイン賞を受賞し、グッドフォーカス賞「防災・復興デザイン」(同振興会長賞)に選出された、と発表した。
改修事業は総額で約60億円を投じて、2009年度から10年間をかけて行った。具体的には宇治川や塔の川の河床掘削、宇治右岸(宇治山田護岸)セットバック、締切堤の撤去、塔の川導水管撤去、橘島の切り下げなどを実施。宇治川の護岸は傾斜角度を昔のように緩やかに改良し、塔の川の護岸は石積みに改めた。
このエリアは世界遺産を2つ抱えており、学識経験者や地元の意見を踏まえ、歴史的・文化的景観、自然環境と調和した河川整備を展開。同振興会の審査委員からは「ただ自然にあらがうだけの土木工事とは異なる考え方で、治水と景観の一体的整備を行ったモデルとして高く評価できる」とした。
なお、同整備局が事業主体の河川整備事業での受賞は初めて。