
城陽市歴史民俗資料館『五里ごり館』(大岩洋一館長)=文化パルク城陽西館4階=で、春の資料紹介「古墳へ行こう!+発掘調査速報展」が始まった。南山城最大の前方後円墳「久津川車塚古墳」=古墳時代中期=の手作り模型を見ながら、クイズも交えて「古墳の基礎知識」を楽しく学べる展示内容。合わせて、市教委の同古墳史跡整備事業(昨年度分)や「水主神社東遺跡」の発掘調査速報展など見どころ満載。期間は6月25日(日)まで。
この資料紹介は、小学6年の社会科(大昔の暮らしと国の統一)に合わせて、2008年から毎年、この時期に2カ月程度、催されている。
会場の特別展示室では、「古墳って何」から始まり、「古墳のできるまで」と題して南山城最大の全長272㍍もある国史跡・久津川車塚古墳(古墳時代中期)などの概要が小学生にも分かりやすくパネルや模型で紹介されている。
今年度も市内10小学校すべての児童が見学に訪れ、学芸員から説明を受ける。
そのほか、城陽最古で卑弥呼の時代(3世紀前半)に築造された「芝ケ原古墳」など市内の『見学できる古墳』が地図や写真、説明文付きで紹介。JOYOエコミュージアムの趣旨に則り、市民が市内の古墳巡りを行うきっかけづくりにしてもらう。
室内には、古墳に関するクイズも出題されており、児童らはそれらを解きながら市内の歴史・文化について興味・関心を深めていく。
また、市教委が2014年度から継続して行っている久津川車塚古墳の昨年度発掘調査の成果も分かりやすく紹介。後円部の東側で下段斜面及び周濠・外堤を検出するなど貴重な成果を得た、その調査報告が詳しく説明されている
一方、市教委は、これまで新名神高速道路や国道24号の拡幅工事に伴う発掘調査で縄文時代後期から晩期の自然流路などが検出されている木津川により形成された沖積平野内に立地する「水主神社東遺跡」の発掘速報展も合わせて実施。今回は、市道5号線建設工事に伴い「東西8㍍、南北83㍍」を調査区とし、上層と下層の2面で遺構の広がりを確認した。
上層面では、中世(13世紀)に形成されたと考えられる島畑を検出。その上面からは弥生時代終わりから古墳時代初めにかけての土坑(どこう)を確認し、土器片がまとまって出土。それらを可能な限り復元し、展示している。
一方、下層では、調査区北端で縄文時代終わりごろの溝、南端では南側に向けて下がっていく「谷地形」の一部を検出。谷地形の埋土には、自然木・種子・炭化物などが大量に含まれており、周辺に生えていた樹木が流され、埋没したと考えられる。
市歴民の開館時間は午前10時から午後5時まで。文パル同様に月曜日などは休館。観覧料は大人200円、小中学生100円。ただし、市内在住の小中学生と65歳以上の高齢者、身障者は無料で入館でき、最終日の6月25日は誰でも観覧無料となる。