企画展「徳川幕府と宇治」/7月9日まで・宇治市源氏物語ミュージアム
「宇治郷総絵図」のパネル(中央)と「留日記」が並ぶ企画展示室

宇治市源氏物語ミュージアム(宇治東内)で17日から、企画展「徳川幕府と宇治」が始まった。NHK大河ドラマで注目が集まっていることもあり、当時の宇治に住む人々の生活を垣間見てもらおうと企画した。
江戸時代の宇治郷一帯は幕府直轄領で「お茶壷道中」でも知られる茶師が多く住んでいた。企画展示室の奥に掲げたパネル「宇治郷総絵図」をみると、宇治橋や平等院・橋姫社などの寺社のほか、幕府代官で御茶頭取でもあった上林門太郎と上林又兵衛の知行地(大名が家臣に与えた土地)も記されている。
パネル手前には、表紙に「留日記」とある書物が並ぶ。当時の集会所で作成・保存されてきた史料で、代官のお触れや郷の訴状のほか、洪水時における宇治川堤の工事に関わる記述も見られるという。江戸中~後期を中心に、明治時代の物も含まれる。
会場右側には、京都所司代板倉重宗からのキリシタン禁制(バテレン追放令)に対する宇治郷からの請状の写しを展示。冒頭に訴人の氏名が書かれており、各村の町代が署名を付けているのが確認できる。
請状の隣には、慶長16(1611)年に実施され、年貢算出の基準となった「検知帳」の写しがある。田畑について、上中下の等級分けがされているほか、当時「薗」と呼ばれた茶畑が多くみられるのが特徴的だ。
資料17点・パネル4枚。7月9日(日)まで。途中展示替えあり。午前9時~午後5時(入館は午後4時30分まで)。月曜休館。観覧料は、大人600円、小人300円。問い合わせは同館℡0774‐39‐9300まで。