秋季特別展「きらめきの荘厳Ⅲ 浄土の荘厳と浄土への祈り」/12月17日まで・平等院ミュージアム鳳翔館
金銅製垂飾(平等院蔵、平安時代<11世紀>)

世界遺産・平等院内のミュージアム鳳翔館で、2023年秋季特別展「きらめきの荘厳Ⅲ・浄土の荘厳と浄土への祈り」が行われている。
同院では今年、鳳凰堂建立970年を迎えた。同館では記念特別展「きらめきの荘厳」を4~12月まで3期に分けて開催している。今回のポイントは3点。
1つ目は、鳳凰堂内の飾り金具、復元作品、模写作品をもとに、創建当初の鳳凰堂内を飾った法相華文様を紹介。「Ⅰ」では6弁や7弁の花文様を展示したが、今回は3弁や4弁の花文様を取り上げている。本尊阿弥陀如来像の台座の華盤(けばん)内部から発見された金銅製垂飾(銅製鍍金の飾り。平安時代<11世紀>)の中には、3弁花を表現したとみられるものがある。
2つ目は、西国三十三所巡礼。平等院は巡礼寺院に含まれないが、近隣の三室戸寺は室町時代中期に現行の順路が成立する以前には三十三番札所とされており、結願の前後に平等院へ参詣した巡礼者が奉納したと思われる木札が、鳳凰堂から見つかっている(展示は11月7日から)。
3つ目は、近世の修理と阿弥陀如来像胎内への納入。江戸時代寛文10(1670)年の修理の際、修理の経緯と詳細を記した「宇治平等院奉加帳」とともに「紺紙金字阿弥陀経」(11月5日まで展示)を納入したことが昭和修理の際に像内から発見され、明らかになった。「紺紙金字阿弥陀経」は胎内の荘厳だった。
12月17日(日)まで。会期中無休。11月5日まで前期、7日から後期展示。午前9時~午後5時。平等院拝観料が必要。大人600円、中高生400円、小学生300円。