宇治の秋を彩る「宇治田楽まつり」=同まつり実行委員会(中谷雅夫会長)主催=が19日夜、市文化センター大ホールで開かれた。平安時代の田楽衆に扮した出演者たちが、大地の恵みに感謝し多彩な舞を披露した。
宇治市の「源氏ろまん」事業の一つとして人気を集めるイベント。平安時代の民俗芸能を市民参加の形でよみがえらせようと、1998年に宇治青年会議所の呼び掛けで始まった。
宇治公園での開催予定のところ、雨天予報のため文化センターへ会場変更。宇治っ子朗読劇団☆Genjiの少年少女が平安装束で登場しオープニング。宇治十帖の劇を上演した後、祭り囃子の音と共に、ホール後方から実行委のメンバーが入場した。
舞台では、火入れの儀が執り行われ小さく明かりが灯ると、まつりの始まりを告げる「入祭唱」を一同で歌った。「龍舞」では天へ昇り恵みの雨を降らせる龍神を、惣躍り「翔(しょう)」では、巣立ち行く鳳凰が大空に飛び立つさまを表現した。
振り鈴やビンザサラ、腰太鼓を打ち鳴らしながら隊形を変える「田楽躍(でんがくやく)」や獅子舞、京都ジャンピング体操クラブによるアクロバットな技の披露が続き、フィナーレは出演者全員の「さんやれ(幸有れ)」で締めくくった。