企画展「発掘ものがたり宇治2025・宇治発掘1万年の旅」/4月20日まで・宇治市歴史資料館
円筒・家形・犬形…4~6世紀の埴輪

宇治市歴史資料館の収蔵展示室で、企画展「発掘ものがたり宇治2025・宇治発掘1万年の旅」が開かれている。旧石器~江戸時代の宇治を出土品でたどる。4月20日(日)まで。

調査当時に撮影された二子山古墳の遠景

宇治山北端の二子山~莵道・五ケ庄には5基の古墳が分布しており、宇治山本にある「二子山古墳」はその一つ。1968年の土砂採取工事が発端となった調査で、北墳(直径40㍍)は5世紀中ごろ、南墳(同32㍍)は5世紀後半に造られたと推定されている。
南墳からは、北墳と比べ、甲冑や馬具といった大量の武具・武器が出土しているのが特徴で、同所に埋葬された首長は、強力な軍事力を持っていたと推察される。別途、調査当時の日誌や写真、公刊資料なども展示している。

二子山古墳から発掘された甲冑

古墳時代(4~6世紀)のコーナーでは、家や犬の形をした埴輪(はにわ)や、渡来人が伝えた精巧な須恵器などが並ぶ。埴輪は、古墳の周りを取り囲むように立て並べることで、境界を区画したり外表面を飾ったりするのが一般的な用途だったという。
このほか、宇治市街遺跡(妙楽・壱番)で発見された鎌倉~江戸時代の陶器類なども展示。博物館管理課の藤岡琢矢さんは「幅広い時代の出土品が一度に見られるので興味深い」と話し、来場を呼び掛けた。
入館無料。午前9時~午後5時。月曜・祝日は休館。

宇治古墳群を示す地図