
将来的な実用化が期待される「無人自動運転トラック」に対応する新名神高速道路(仮称)宇治田原IC直結の『次世代型物流拠点』の造成工事が進む城陽市の東部丘陵地「青谷先行整備地区」。この地の新町名(大字)を絞り込む第2回町名選定委員会(座長=中川一・京大名誉教授、7人)が26日、西庁舎会議室で開かれた。その結果、新町名案は『青谷山手』が選ばれ、市は、これを尊重して町名案とし、6月定例議会に関係条例を提案する。
国道307号を宇治田原方面へ車で走行すると、大規模な造成工事の様子がうかがえる東部丘陵地・青谷先行整備地区(約41㌶)の町名は現在、「中芦原」、「奈島下小路」、「奈島上小路」、「奈島坊ケ谷」、「奈島池ノ首」の『2大字、5小字』に分かれている。
同市は、この地の町名のうち、大字のみを1月14日から2月28日まで、市民や市内在勤・在学者と「城陽市に関心のある人」を対象に公募し、ふさわしい新町名の選定に入った。
その結果、151件もの応募があり、委員7人が「一人2点」をあらかじめ選定。この日の委員会では、その中から市に提言する『新町名案1点』を決めた。
持ち寄られた町名候補14点は、呼び名として定着しているが、町名にない「青谷」(応募3人)をはじめ「青谷山手」、「東陵(とうりょう)」(いずれも応募2人)など。中には、斬新なカタカナ文字の「ブルーバレー」「ポイントバレー」、特産品をイメージする「梅ノ丘」なども委員らの心をくすぐった。
7人の委員からは「(応募作品全体をみたら)やはり青谷、梅の文字を残してほしい…との思いが感じ取れる」、「全国にないインパクトのある地名の方が、他の地域から来られた人の印象に残る」など多種多様な意見が出て、予想通り絞り込み作業は難航した。
最終的には、中川座長が「青谷山手、ブルーバレー(青谷の英文字)、ポイントバレー(関西の物流拠点をイメージ)の3案で多数決を取りたい」とまとめた。
その結果、『青谷山手』が最も支持を多く得て、委員の総意として新町名案に選定。市に提言し、決裁を経て、市案として6月定例議会に関連議案を提出する流れとなる。
市議会で可決されれば、市は7月に採用者の表彰を予定。区画整理事業の換地処分後、来年12月末ごろ、当該地は新町名に変更される。
選考過程では、委員から「~山手は、松井山手(京田辺市)の印象が強い」、「住宅地のようなイメージがする」などの指摘もあったが、『青谷山手』の提案者2人のうち、「当該箇所は旧村の名残りを残す青谷地区に属するが、範囲が広く大字部分を単に青谷としても漠然として分かりにくい。新開発の意味合いが濃く、地形にもマッチする山手を付けた」とする1人の提案理由に、委員らは納得。最終的には、委員の総意として新町名(大字)に選んだ。
なお、アウトレットモールが整備される東部丘陵地「長池先行整備地区」は、開発者の意向を優先し、大字『令涼(れいりょう)』、小字『つむぎ』とすでに決定。市議会の承認も得ている。