
日本三禅宗(黄檗・臨済・曹洞)のひとつ黄檗宗の本山・萬福寺(近藤博道管長)=宇治市五ケ庄=で3日、隠元禅師(1592~1673)の開山祥忌の法要が営まれ、訪れた参拝者たちが高僧の遺徳を称えた。
同寺は江戸前期の1654年、明から渡来した隠元禅師によって開かれた。インゲン豆や釜炒り茶、活字の「明朝体」など中国の文物を持ち込んだことで知られる。禅師の命日とされる4月3日には祥忌法要を営んでおり、今回で353回忌を迎えた。
午前10時40分ごろ、色とりどりの衣をまとった僧侶たちが参道を通り、禅師を祀っている開山堂へと入場。「梵唄」(ぼんばい)と呼ばれる大陸由来のゆっくりとした読経を響かせた。
堂内に半鐘の音が響く中、宗祖の功徳に思いを馳せながら参拝者たちが焼香した。式典後は、禅師の墓碑(寿塔)を拝礼した。