万博会場で伝統芸能「大住隼人舞」アピール/京田辺の生徒ら
舞の庭を払い清めるお祓いの舞を披露する

大阪市此花区の人工島「夢洲」で開催中の大阪・関西万博で、晴れやかに伝統芸能「大住隼人舞」が披露された。
外国人も合わせて隼人舞の存在を広く知ってもらおう―大型連休真っただ中の3日昼、万博「関西パビリオン」に京田辺市の中学・高校・大学生が舞人と龍笛奏者となり姿を現して、古式ゆかしい伝統芸能を演じた。
大住隼人舞は毎年10月14日の夜、同市大住にある月読・天津の両神社で執り行う市指定無形民俗文化財の伝統芸能で、大住隼人舞保存会(石坂清会長)が主催する。
舞から創作されたという隼人踊りに続き古式ゆかしい龍笛の演奏も加わり、お祓い・神招(かみおうぎ)・振剣(ふりつるぎ)・盾伏(たてふせ)・弓・松明の合計6つの舞を男子中高生が演じてみせる。
暮れなずみ闇に包まれる境内は秋の夜の情趣に染まる。
この日、会場は火気厳禁のため松明をたけなかったが、演者の気迫が会場いっぱいにあふれた。

舞の神を招く神招(かみおうぎ)の舞を繰り広げる

開演待ちの列の中には外国人の姿が見られ、客席最前列に白いシルクハットで知られる「万博おじさん」もしっかりと着席。
それぞれの舞を披露する前に日本語・英語での説明も挟み、注目を浴びた若者たちが躍動した。
昨年は南座「京のかがやき」舞台に立った岩本真輝さん(大谷高3年)は今回、弓の舞を熱演。
「隼人舞を始めた年にコロナが発生した。それまでと同じように披露できない中、6年間舞人を務められた。その集大成として万博という場で日本のみならず世界中の方々に大住隼人舞を知っていただくことができ、舞人のみんなも感激していた」と声を弾ませる。
今後も指導員として後進をサポートしたいという。