京都市中京区にある壬生寺の節分行事『厄除け祈願・壬生狂言』で使用される炮烙(ほうらく)作りが、城陽市奈島川原口の社会福祉法人・うめの木福祉会「城陽作業所」(辻村憲隆施設長)で行われている。
この重要な催事に向け、今シーズンもトータル3000枚を無事完納。利用者らは、ホッとひと安心しながら、来年の節分会へ向けた炮烙作りをスタートさせている。
利用者らは、やりがいを感じながら、年間を通して作業に頑張り「年々、腕前が上達しています」と、支援員から褒め言葉が寄せられている。
炮烙とは直径約30㌢の素焼きの皿のこと。同作業所では毎年、3500枚ほどを焼き上げ厳しく検品。『お得意様』である壬生寺からの大量注文に応じているほか、二条城のすぐ近くにある神泉苑にも120枚を納品。愛媛県にある香積寺には、注文に対応して直径13㌢ほどの小皿を250枚納め、残りは同作業所に直接、買いに来る市民に販売している。
作業は、20代後半から50代前半の陶芸班の利用者6人が主に担当、滋賀県の信楽(現・甲賀市)から取り寄せた粘土を練り、ロクロの機械で成形する。
そのあと、丁寧に天日干しして、さらに850℃に設定した窯で焼き上げるという一連の工程を繰り返している。
炮烙の厚さは、壬生寺で割る分はやや薄目の5㍉、一般家庭用は「火にかけても大丈夫なように」と8㍉ほどと微妙に調整。作業は月、木曜日に粘土をこねて、ロクロで作り上げ、冬場は1週間、夏場は3日~4日間、太陽の自然光で乾かし仕上げている。
2月2日(日)から4日(火)にかけて、壬生寺で行われる節分厄除大法会では、これら炮烙に参拝者らが「交通安全」などの願い事を書き込み、しばらく境内で祈祷。そして、5月のゴールデンウイークに挙行される『壬生狂言』で、能舞台から落として豪快に割る儀式が執り行われる。
炮烙の個別販売価格は1枚350円、箱入りは400円、ふた付きのセット販売1300円もある。問い合わせ、個別注文は気軽に同作業所℡54‐2424まで。