クリエイター×伝統工芸、商品化目指す/宇治から2点
おりんを再利用したアクセサリーとりん棒㊧、組紐を活用して完成した「彩り姫」㊨

全国から宇治に集ったクリエイターらが、京都の伝統工芸と融合した画期的な商品を開発するプロジェクト「クラフトソン」(府主催)。昨年7月に結成され、コンペティションで上位に入った2チームの新商品が決まり、商品化に向けて、インターネット上で資金を募るクラウドファンディングを開始した。
クリエイター4人と㈲昇苑くみひも(宇治妙楽)の八田俊氏はチーム『ひもっ!』を結成し、工芸品「京くみひも」を用いた〝見せる〟女性下着『彩り姫(あやりひめ)』を完成させた。キャミソールで、その肩紐を取り外すことができるほか、市販のブラジャーに取り付けることも可能。京くみひもによって、源氏物語に登場する気品のある女性のような上品さを演出することに成功した。
24日には宇治市源氏物語ミュージアムで成果発表会を行い、開発秘話を紹介。女性を交え、肌触りなど細部にこだわった点を強調した。
一方、クリエイター3人と㈲南條工房(槇島町千足)の南條和哉氏はチーム『PORTABLE ORIN(ぽーたぶる・おりん)』としてアイデアを練った。同社は「チーン」という音色を響かせる仏具「おりん」を、合金の佐波理(さはり)を用いて製造。音色にこだわっており、自社基準未満のおりんは再度溶かしていたが、このたびアクセサリー(ネックレス)『LINK(りんく)』として再生した。
成果発表会で、アクセサリーになった元おりんを、りん棒で叩くと、伸びやかな「チーン」という音が会場に響き、論評した同ミュージアム学芸員の家塚智子氏が「もう一回、聞かせて」とお願いするシーンも。ネックレスの紐には昇苑くみひもの「京くみひも」を用いた。
台湾から論評に加わった男性は、文化的な面の発信を強化するよう求めた。
いずれも商品化するには資金が必要で、22日から来月30日まで、国内最大級のクラファンサイト「Makuake」でサポーターを募集している。目標額は、彩り姫が85万円、佐波理おりんアクセサリーが80万円。いずれも目標に達しない場合は「市場性なし」と判断して商品化は見送る。
市場価値を探るクラファンを兼ねているため、マクアケ価格より安く商品を提供。「応援したい」、「この商品が欲しい」と思った人はマクアケ(www.makuake.com)の専用ページにアクセスしよう。