宇治市と久御山町の広報紙が、今年度の「京都広報賞」で入賞した。ともに2年連続の受賞。コンクールは府内の市町村などから65点の応募があり、広報紙、写真、映像の3部で優秀作品を選んだ。表彰式は18日(水)に京都平安ホテル=京都市上京区=で開かれる。
■喫煙の害を呼び掛け/宇治市政だより
京都広報賞の広報紙部門(市の部)において、応募16点中、宇治市の広報紙「市政だより7月1日号」が会長賞(2位)に輝いた。昨年に続いて2年連続の受賞となった。
昨年7月の健康増進法改正に合わせ、喫煙を特集。同市秘書広報課広報係の山口圭輔主任が、取材とレイアウトを担当した。健康生きがい課が協力し、禁煙成功者の体験談も盛り込んだ。
山口主任は「非喫煙者と喫煙者の双方に読んでもらうことを意識した。前半は受動喫煙の害についてまとめ、後半は禁煙を考える材料を紹介した」と話した。
同課の田中真也係長は「普段はインタビューに応じない方もいたが、広く市民に知らせるという趣旨を理解してもらえ、ありがたかった」「今回の受賞で担当者の意欲も向上した」と受賞を喜んだ。
なお、宇治市の入賞作は、今年4月に開催予定の「全国広報コンクール」に府代表として推薦が決まった。
■伝えたい防災特集/広報くみやま
久御山町は同部門(町村の部)で、昨年の「まちの総合情報誌『広報くみやま』」9月1日号が会長賞(2位)に輝いた。前年度の写真の部(組み写真の部)に続き、2年連続の受賞。
「防災を見つめなおす―今あなたに伝えたいこと」と題し、防災を特集。発行前年の2018年に発生した大阪北部地震と西日本豪雨、台風21号から1年後の振り返りや、宇治川と木津川に挟まれた低地で水害と向き合ってきた同町の教訓の継承へ、9月1日の「防災の日」に合わせて企画した。
町内の水害の記録や、1953(昭和28)年の宇治川決壊で被災した町民へのインタビューなどを掲載した。西日本豪雨で浸水域がハザードマップ(HM)と重なった岡山県倉敷市真備町の事例からHMの重要性を強調。町のHMと照らし合わせながら回答を記入してもらうワークシートも付けた。
広報誌の編集に携わり3年目、特集を企画した総務課秘書広報係の繁光拓樹さんは、災害を自分の事として考えてもらうため、意識付けの仕方やコンテンツの入れ方に苦心したという。受賞に「評価されてうれしい。まだ工夫できることがあり、住民に読みやすい広報誌へ努力を続けたい」と話し、取材に応じてくれた住民に感謝した。