「休校中」でも先生多忙/情報共有し新学期準備
休校中に職員室で様々な業務にあたる教職員(宇治黄檗学園)

新型コロナウイルスの感染拡大防止に向け、地元の学校でも臨時休校が続く。ひっそりと静まり返った学年末の教室。「先生はこの間、何をしているの」。読者から寄せられた素朴な疑問から取材を始めると、こんな答えが見えてきた。先生たちは休校期間も連日働き、授業はなくとも忙しい―。
児童生徒1128人(昨年5月時点)が在籍し、教職員約80人が働く小中一貫校の宇治黄檗学園(宇治小学校・黄檗中学校、原田繁校長)=五ヶ庄三番割=。黄檗中の卒業式を翌日に控えた12日午後の職員室。式の最終準備や会議などで出払う人が多い時間帯ながら、事務作業や打ち合わせをしたりしている先生が目立つのは、いつもと同じ風景だった。
政府要請を受けた臨時休校措置にあたり、同学園では、学年別の学習進行の状況を把握し、クラスごとにできていない箇所の確認を徹底した。休校が始まって以降は、子供たちの安全確保に向けた校区の定期的な見回り、ホームページでの情報発信などをこまめにしているほか、近く保護者向けのメールを活用した健康状態などの確認も行う予定。
宇治小では新学期の集団登校の準備で、児童側の班長が新1年生に登校班の案内を伝えに行く例年のスタイルを変更。班の集合場所や時間を記した文書を、対象家庭に1軒ずつポスティングする形にし、教職員が手分けして担当した。

静寂に包まれた教室で卒業式の準備(宇治黄檗学園)

黄檗中では、2年生以下の生徒が中心となってきた卒業式の会場や教室の飾り付け、各種の準備を教職員が行った。「こんな状況だからこそ、心に残る思い出の式にしよう」と廊下の床のすみずみまでピカピカに磨く若手も。
各校で先生たちは通知表の作成やチェック、新学期に向けた会議や打ち合わせと併せ、想定外の休校ゆえの様々な仕事をしている。原田校長は「冷静に判断し、情報収集することが大事」と話す。先が見えない状況だからこそ、教職員同士が子供の状況など情報共有を図っているという。

「花いっぱい運動」で学び舎を彩る教員(久御山中)

地元の多くの中学校で卒業式が行われた13日、久御山中(南亮司校長)では、学び舎のカラフルな花が生徒たちの門出を祝った。生徒と教職員、保護者が一緒に花苗の植え替えや学校周辺の清掃をする「花いっぱい運動」を、「式に向けて学校を明るくしたい気持ちは一緒」と今回は教員だけで展開。在校生の出席なし、プログラムも例年より縮小した式典となったが、花に包まれた卒業生は晴れやかな表情で羽ばたいた。
休校中、学外からは見えないこんな仕事も、子供たちを支えている。