井手町での新型コロナウイルスの集団感染で、京都府は1日、役場内で職員から、別の職員2人への感染が確認された―と発表した。感染源となった3月23日の交流会参加者からも新たに1人(同町商工会員)の感染が確認され、合計11人に。深刻な状況を鑑み、同町教育委員会は6日(月)から新学期を予定していた公立小・中学校を14日(火)まで一斉休校とすることを決め、入学式も延期を決めた。
京都産業大学(京都市北区)の学生に端を発した集団感染。3月23日、両者の交流拠点「むすび家ide」のカフェで交流会が開かれ、31日までに同町職員3人、同町商工会の会員5人が新型コロナの「陽性」となった。
府山城北保健所は8人の濃厚接触者のPCR検査を進めており、1日には交流会には参加していない30代男性職員(井手町在住)、50代女性職員(同)が「陽性」に。役場内で職員から職員に感染した初のケースとなり、通常業務の再開が遠のいた。
また、交流会に参加していた同町商工会の会員で、30代男性(同)も新型コロナに罹患。京産大の学生に端を発した同町での集団感染者は合計11人に膨れ上がった。
同町商工会によると、感染者6人は、いずれもBtoB(企業間取引)の業態であり、小売や飲食など不特定多数に応対する事業を営んでいる人がいないことを確認。既に今年2月から、全ての会合を中止しており、会議を通じた会員同士の接触もないという。
ただ、同町内で感染が広がっている状況を踏まえ、同町教委は小・中学校を当面、6日(月)~14日(火)の期間、臨時休校することを決めた。小学校で7日(火)、中学校で8日(水)に予定していた入学式についても当面の間、延期。臨時休校の間、放課後児童クラブを午前8時から午後7時まで開設する。

新設された臨時窓口の待合いスペース。来庁者は少なく、閑散としている

■〝密〟避け、外に待合
職員3人の新型コロナウイルス「陽性」により井手町役場の本庁舎が閉鎖されて2日目の1日、西別館1階臨時窓口の入り口前に、待合いスペースが新設された。
臨時窓口は、室内をパーテーションで区切り高齢福祉課と住民福祉課が応対している。順番待ちに伴う密な状態を避けるため、外に雨よけのテントといすを設置し、待合いスペースとした。
今年度の福祉タクシー利用券申請を受け付ける窓口も同日、隣接の第2会議室に新たに開設した。同券は、5月以降に申請すると翌月分からの交付となる。所管する高齢福祉課は「当月分から交付される4月は申請数が多いため、専用窓口を設けた」と話した。