25年目を迎える「京田辺筍生産農家グループ」の直売が始まった。拡大やまぬ新型コロナウイルス感染症の予防対策として、対面販売は中止し、贈答用・家庭用のいずれも通信販売で対応する。手入れが行き届いた竹林ですくすくと生育した京都山城タケノコはやわらかな食感で、風味豊かな逸品揃い。暗雲ムードが世間を覆う中、生産者たちは「早い時期から大きいものが出ている」と、早朝からの掘り出しや仕分け作業にハツラツと息を弾ませる。ゴールデンウイークまで販売を続ける予定という。
京田辺市田辺の国道307号を挟み広がる竹林で収穫されたタケノコは、毎年この時期になると設営される直売所で「より取りの量り売り」されるのが風物詩となり、人気を呼んでいる。
今年も、約10軒からなる「京田辺筍生産農家グループ」が3月28日から大扇向かいの沿道に直売所をオープン。ところが、世界中で深刻化する新型コロナウイルス感染症を予防対策するため、直接販売の中止と無人化を決めた。
店舗には、品目を紹介するパンフレットと送り状を用意し、贈答と家庭用のいずれも配送にて予約を受け付け、順次、商品を発送している。
毎年販売されるタケノコを心待ちにする常連客は多く、土日は近隣市町から車が列を成すほど。約6000平方㍍に及ぶ竹林では、年の瀬に大学生も協力する人海戦術で土入れが行われ、ワラが敷かれた上にフレッシュな土を被せている。今ではよく整備された理想的な竹林も一時、人の手を離れて荒廃。再び手入れされ始めたのが約25年前で、極上タケノコを目指した豊かな土壌づくりに変わらず精魂を込めている。ゴマ油カスや馬糞を発酵させた肥料なども使うことでコクと味に深みを増す。
シーズンにはグループの生産者約10人が毎朝7時ごろから竹林に入り、頭をもたげた自然の恵みを掘り起こす。サイズごとに仕分けし、毎年1000件以上の引き合いがある顧客に宛て、順番に梱包し、発送する。農作業の行く手に立ちはだかる感染症の対策に気を配り、電話回線を増設、事務スタッフも増強して予約の受付に当たっている。
大崎雅美代表(72)は、「暖冬の影響なのか、3月中の早い時期から大きいのが出ている。やわらかくて色白の旬のものが美味しい。昨年は4月中に出切った。今季も少し早めかもしれない」と感触を伝える。
商品ラインナップは、贈答用が▽2㌔5500円▽4㌔8800円▽特上4㌔1万2000円。形やサイズ、色目、掘キズなど規格外のおまかせご家庭用(お徳用)は▽2㌔3500円▽3㌔4500円▽4㌔5500円。いずれも税・送料込み。北海道と沖縄は、クール便で別途850円が必要。問い合わせは(注文専用090‐8206‐4809または090‐3974‐0171、午前9時~午後5時)、ホームページhttp://yamashiro-takenoko.comから申し込む。